
OluOlu通信
001号
2019年1月発行
2019年が始まりました!
みなさま、本年もよろしくお願いいたします!
2019年初めてのレッスンが1月13日に行われました。前日からの雨で、お天気が少し心配されましたが、サッカー教室が始まる頃には晴れて暖かいくらいの好天になりました。
今回の参加者はOluOluメンバー3名と、体験参加してくれた2名の合計5名。
コーチ陣は、今回見学に来てくれた3名のコーチも合わせてなんと7名!
そして今回から、大学生ボランティアのおふたりが来てくれました。総勢9名がみなさんとサッカーをプレーしてくれました。楽しかったですね。
さて、レッスンは、いつものストレッチの後に、ランニング。一対一でのパスの練習、グループでのパス。ちゃんと誰にパスをするのかを明確にしてから、次の人にパスする練習もしていました。
シュート練習も欠かせません。最初は広いゴールへのシュート、続いて狭いゴールへのシュート。狭くなると難しいと思いますが、いっぱい練習して、ゆっくりでも良いので確実にシュートが入るように頑張りましょう!
レッスン最後は、2チームに分かれて試合をしました。ゴールを守ろうと頑張ったお友達、一生懸命ボールを追いかけたお友達、みんなそれぞれ、サッカーを楽しめていましたね。
たくさん動いた後は、ストレッチが重要です。コーチから教えてもらったストレッチは、サッカー教室以外でも、外でたくさん遊んだ後や学校の体育の後に是非取り入れてみてください。
今回は、体調不良等でお休みしたお友達が何人かいました。学校でもインフルエンザ、溶連菌、りんご病など様々な冬の病気が流行っています。体調管理は十分に気をつけて、次回2月の練習でまた元気な笑顔を見せてくださいね。
特集:CPサッカーのルール
みなさんが参加している、「障がい者サッカー」。ひとくくりで活動していますが、実は障害の特異性によって7種目に分かれているのをご存知ですか? OluOluでは、すでにCPサッカーを並行しているのでその名称はご存知かと思います。 CPとは、脳性麻痺(英語のCebreal Palsyの頭文字)を指しますね。この他に、切断障がい 、精神障がい 、電動車椅子サッカー 、視覚障がい、知的障がい 、聴覚障がいに分かれて各カテゴリーのサッカー団体があります。詳しくは、それぞれのウェブサイトをご覧ください。
OluOlu通信第1号から3回にわたって、CPサッカーの主なルールを紹介していきたいと思います。
障がい者を対象としたスポーツは、必ず対象者の状態に合わせた特別なルールがあります。自分が対象のスポーツでなくても、理解を深めると違う形でスポーツが楽しめると思いますので、一緒に勉強していきましょうね。
初回は、CPサッカーとは何か?を説明していきますね。
★どういう人がCPサッカーに参加できるの?
⇨ 杖なしで、歩・走行可能な肢体不自由者(脳性まひ、脳外傷、脳血管障害等による四肢麻痺、片麻痺、両麻痺等)が対象となります。
★色々麻痺にはレベルがあるのにどうやって公平にプレーするの?
⇨ FT1(重度)、FT2(中度)、FT3(軽度)と、障がいのレベルによってカテゴリーが決められています。試合に出る選手(7名)のうち、FT1選手を1人以上、FT3選手を1人以内必ず含むように選手を組み合わせます。 サッカーの技能だけでなく、どのような組みわせで選手がプレーをするかによっても、試合を左右することになりますね。 次回は、普通のサッカールールとの違いです。

練習最後のお決まりです。みんなで元気に歌って終わりになります。

OluOlu通信
002号
2019年2月発行
寒い如月(2月)も元気よく!
特集:CPサッカーのルール(2)
春の予感をさせる日差しが時々感じられるようになりました。気温11度の曇り時々晴れ!まだまだ肌寒いけれども、体験者2名を含めて8名の子どもたちが元気にサッカーをしました。
いつもの準備運動にくわえて、今日は初めて”共同作業”の遊びをしました。
4つの異なるボックスを、一人一人が紐を握って一つずつ重ねていくという遊びです。コーチたちも事前に試してみましたが、声がけをみんなでしながらできて結構楽しい。子どもたちも、興奮しながらとっても上手に重ねていけましたよ。
今回の練習で印象に残ったものは、4人ずつのチームになり、それぞれが順番に3メートルほど先のゴールにボールを蹴るというもの。
ただ単にボールを蹴る練習をするだけでなく、順番を守って、自分の番が来るまで待たなくてはいけないので、なかなか待てない子もいました。でも、練習の後半になると、「待たなくてはいけない」「うちのチームは何点入った」と意識できるようになりましたね。
短時間での子ども達の上達ぶり、とっても頼もしいです。
サッカーは、一人ではできないスポーツです。相手を意識しながら、チームワークを学んで、初めてゴールが決められます。遊びを通して、一緒に一つのことを行う、ということを学んでいくのは、難しいけれども楽しいですね。
パス一つをするのも、相手の存在を意識しなければボールは届けられません。誰が自分のパートナーで、どのタイミングで蹴って、しっかりと相手に届けられるのか。少しずつ意識していけると、コミュニケーションができるチームになっていきますね。
3月も楽しくボールを蹴っていきましょう!!
CPサッカーのルール特集、2回目です。
今回は、通常のサッカールールとの違いを少し把握しましょう。
1)チームは7人(うち1人はキーパー)
→ 通常は11人
2)フィールドの大きさ: 70m x 50m
→ 通常は100m x 64m ~110m x 75m
3)スローインは、片手で下から行うことができる
→一般的にスローインは、両手で頭の上から投げる
4)オフサイドルールがない
→ オフサイドとは: 攻撃側のポジションに関する反則。攻撃側の一人のプレーヤーが、ゴールキーパーを除く、守備側選手よりもゴールに近い位置でボールをもらうこと
5)女性との混合が認められている
6)交代は、最大3回、最大5人まで。その組み合わせは自由
→通常、選手交代は3人まで。延長戦でもう一人交代可能
これは公式試合において各国の共通認識に立つルールです。もちろん、16歳未満、女性のみのチーム、年長者(35歳以上)や競技チームとの合意の上、フィールドの大きさ、ボールの大きさ、試合時間、交代人数などを変更することが可能です。
詳しくは、「7人制サッカー競技規則」をご覧ください。
次回は、ペナルティーキック、スローイン、コーナーキックが少し通常のサッカールールと異なるので、そこをみていきたいと思います。

「ボックス」の共同作業で、チームワーク!
みんな大きな声を出しながら、「あっち!」「下ろして!」などみんなの声が聞こえました。
コーチがいるゴールへ向かって確実にシュートを狙います

OluOlu通信
003号
2019年3月発行
暖かい日差しが気持ちよかったですね☀️
新しい障がい者サッカー
フレームサッカー
3月17日。前回の練習からちょうど1ヶ月がたちました。参加予定だったお子さん1人とコーチ1人が体調不良で来れませんでしたね。太陽が暖かくてなった分、温度差が激しいです。体調管理には十分に気をつけてください。 また花粉症をお持ちの方も多くいると思います。ご自分に合った対策でこの季節を乗り越えてください!
さて、今回は体験者が2名来てくれました。みんなやっぱり体を動かすことが大好き!1時間半、元気に走ってましたね。
レッスンは今回で6回目。みんな初めてのレッスンから比べると、すごい成長しているの、自分で気づいているでしょうか!?キックするときの片足立ちが、最初の頃とくらべてとってもかっこよくなってるんです!
シュートの練習で、ゴールの幅がどんどん小さくなっても、ちゃんとゴールを目指して蹴ろう!という気持ちも断然大きくなってるのも感じました。入らなくて、「あーー!!」という悔しい気持ちも大切です。ぜひ入った喜びと、入らなかった悔しさをもっともっと大きくしていってほしいと思います。
さて、今回はお客様がお二方いらっしゃいました。
お一人目は、菊地コーチの大学院の先生でいらっしゃる、新田 収教授です。首都大学で教えている先生で、発達障害分野の理学療法のスペシャリストです。ちなみに、Jazz Bassist(ジャズで、低くビートを奏でる奏者です)だそうですよ。いつか聞かせていただきたいですね。先生は、理学療法の第一線で活躍されている方です。今後もいろいろな情報をお聞きしたいと思っています。
お二人目は、藤川 明代先生です。社会医学技術学院で、理学療法を教えていらっしゃる先生です。中級障害者スポーツ指導員の資格も持ってらっしゃっいます。また、車いすラグビーにも関わってらっしゃるんですよ。機会があったら、みんなで車いすラグビーの見学に行きましょう!
フレーム、とは歩行器のことです。CPサッカーは、杖などを使わずに独歩ができることが条件となっていますね。このことは、CPサッカールール特集の(1)で紹介した通りです。
でも、そうなると、どうしてもサッカーが出来ない範疇の人たちが出てきてしまう。そこでイギリスで2014年にフレームフットボールが誕生しました。日本では全く新しいスポーツで、ついこの2月に紹介されたばかりのようです。
「歩行器」というと、後ろ側がオープンになっている形のものを思い浮かべるかもしれません。発祥地のイギリスで現在販売されているフレームを見てみてください。前が空いていますね。これならサッカボールを蹴っても、きちんと手に力を入れて、ボールを蹴ってもフレームに足が当たりません。
もちろん、姿勢をコントロールしやすい構造、方向転換のしやすさ、フレームの高さ調整、など、様々な角度から考えられて作られているようです。
前回までのOluOlu通信で紹介してきたCPサッカーは7人制でしたね。フレームサッカーは5人制になります。ボールもフットサルと同じものを使用。フィールドの大きさもCPサッカーの70mx50mと比較するとより小さく、フットサルのサイズと類似しています。
また、少し気になるのが、「ボールがフレームにあたるのではないか」ということ。必然的に避け難いことですので、フレームで蹴ることも技法としてありですが、やはり足で蹴ることが望ましいようです。ただし、車いすバスケットボールや車いすラグビーのようにフレーム同士の接触は敬遠されます。(International Foundation of CP Football 参照)
いろいろな形のスポーツがあって、ルールも形態も千差万別。でも、やっぱりスポーツが持っている共通のことは、みんなが楽しんで笑顔になれること!
OluOluのみなさんも、また次回、笑顔でいっぱいボールを蹴って、練習の後に美味しいお昼が食べれるといいな、と思います!!

シュート練習!確実に狙いを定めて蹴ってます。チームメイトをちゃんとみて、入ったら拍手〜👏
新田先生にビブスをいただきました!テンション上がります!!

OluOlu通信
004号
2019年4月発行
新学期が始まりました!
ご進級おめでとうございます!!
4月は7日と21日の2日間の開催をすることができました。
7日は、既存メンバー4名と、体験のお友達が4名参加してくれましたね。体験のお友達は、なんと2組の双子兄弟でした!!正式メンバーにもなってくれましたので、これからまたOluOlu笑顔がいっぱい増えて嬉しいですね。
21日は、なんと、正式メンバー10名、体験の新しいお友達2名と合計12名ということで過去最高でした。とても賑やかな中、コーチ4名、ボランティアさん1名と恵まれた環境で練習を行うことができました。みなさんに感謝です。
さて、21日からホワイトボードに当日のメニューをコーチが書いてくれることになりました。いつもみなさん「試合はいつやるの?」とか「次はなに?」と疑問に思っていますよね。このホワイトボードを使うことによって、次に何をするのか、常に気にできるようになると良いなと思います。
練習メニューにも随分慣れてきましたね。パス練習は、球技スポーツには欠かせない練習の時間です。パートナーが誰なのか、どこにいるのかを常に考える癖をつけましょう! お互いの名前を呼ぶことは、「仲間意識」を持つために大切なことです。
名前を呼ぶことに加えて、一つのメニューが終わった後、コーチが必ず、「お友達とハイタッチ」と声をかけていますね。恥ずかしがらないで、ぜひ積極的にハイタッチしてほしいと思います。もちろんコーチともしましょうね。ハイタッチは、相手とどんどん仲良くなれる魔法。両手で「パチパチ!」と手が触れる音がいっぱい聞こえるとテンションが上がります!!!
最後にご報告です。
21日の練習の前に、OluOluをNPO法人として東京都に申請するために、役員及び正会員で設立総会を執り行いました。これをもとに総会の議事録を作成し、提出書類を準備することになります。また申請に関して進展がありました際は、随時ご報告させていただきますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。
「ピヨピヨちゃん準備運動」〜!先ずは準備運動が大切ですね。次の「ピヨピヨちゃん」も楽しみです( ̄∀ ̄)

見てください、この真剣な眼差し!! (4月7日)

新しく取り入れたホワイトボードです。少しテンションも上がった? (4月21日)

映画 『蹴る』
観に行ってきました!
中村監督のサイン入り。貴重ですよ〜

映画『蹴る』。皆さんはこの映画、知っていますか?
電動車椅子で行うサッカー競技で、世界に目を向けて一生懸命に頑張る選手たちを6年間に渡って追いかけた、ドキュメンタリー映画です。ポレポレ東中野にて期間限定で(4月26日まで)上映しています。
私たち(OluOlu設立者の2人)が観に行った日は、よく晴れた春の午前中。朝の電車ダイヤの乱れから、映写機を操作する技術者がまだ到着していない、とのこと。予告時間よりも遅くスタートする、と受付で言われたので、まだ朝の10時なのに小腹が空いた私たちは、ミスタードーナッツへ行っておやつを買い込みました。2人で5つのドーナッツ。内訳は伏せておきます。水をコンビニで購入し、再び映画館へ。
1階はカフェになっていて、その地下に降りていきますが、昭和っぽい匂いがプンプン。それだけで昭和生まれの私たちはテンションが上がっています。階段の脇に所狭しと置かれている他の映画の広告をたくさんカバンにしまいこみ、どうでもいい話をしながら映画館へと入って行きました。おやつと飲み物を膝の上に乗せて、万全の状態でそこそこ座り心地の良いシートへ二人で並んで待っていると、小さな映画館(失礼)の、障がい者に関する映画なのに結構人が入ってくる。どうやら関係者もいた様子ですが、単独できている人が結構多かったように思います。「どういう環境で、この映画尾を観にきたんだろう・・・」とインタビューしたい衝動にかられながらも、ドーナッツをほうばっていると受付のお姉さんが入ってきて、上映時間が大幅に遅れたことを謝ってくれました。大丈夫ですよ、お姉さん。おかげでドーナッツ買いに行けました。
さて、映画が始まりました。
まさに、衝撃でした。
みなさん、電動の車椅子がとんでもない速さで回転するのを見たことがありますか?一体誰が操縦しているんだ!?と目を疑うような動きをする電動椅子が存在する。それを動かせる人たちがいる、って信じられますか?
YouTubeで予告編が見ることができて、少し選手の動きが見れます。
⇩
https://www.youtube.com/watch?time_continue=6&v=udzko8-F170
電動車椅子での生活。わたし達にとってなにげなく通る場所でも、車椅子での移動では困難を感じることも多くあるでしょう。でも、生まれつきの病気、後退性の病気、事故。色々な理由を持った人たちが、どうしても生活の基盤としてなくてはならない「足」として使うことがあるのは事実。さらに、普通に生活するのも色々と大変なのに、映像の中にいた選手たちは「サッカー」をする。
そして、みんなに共通して言えるのは、「サッカー馬鹿」だ、ということ。
あの重い電動車椅子で試合に出て、車椅子ごと横倒れになり脳震盪を起こしたのに、「え?お昼食べたら早く試合出るよ。」と言ってのける、重度PF1の永岡真里さん。彼女は、中村監督が「一目惚れ」をしてこの映画を制作しようと思わせた女性です。一度も足で歩いたことがない。足で歩く、っていうことがわからない。大きな大会でMVPとっても、「ここで満足してたら、日本代表になんかなれない」と言い切って、すぐに次の試合のために練習を始める。気も強いが、実は同じ電動車椅子サッカーをする彼にクッキーをプレゼントしたりする可愛らしい女性。二人でデートもする。よく涙するけれども、筋の通った素敵な女性です。
小学生までなんとか歩いていたけれども、筋ジストロフィーにより嫌々、電動車椅子での生活に。けれども、初めて乗った電動車椅子で、初めて自分で「風を感じる」ことができて、いつまでも外を走り回った東武範さん。呼吸器をつけてサッカーをします。正直、それを見たとき、「そこまでしてサッカーする!?」と思いました。だって、どう見ても辛い。下手したら死にます。でも、ベッドで休みながら、辛い辛い言いながら、「でも、サッカーやりてぇ〜」と言ってのける。筋肉が弱っていくから、流動食の食事を取るのすら辛いのに、「サッカーやりたいから食べる」。きっと自分がどれだけ危険な状態になっても、「サッカーしたいんで」と言い、車椅子に乗せてください!とヘルパーさんにお願いするんだろうな、って思いました。
他の選手も、専属の医師に「僕、呼吸器つけてるけど、どうやったら飛行機乗れますか?」。日本代表になって、海外へ遠征に行くには、健康が第一。第一条件。それができないのであれば、どれだけ技術があっても選ばれない。だから、「どうやったら飛行機乗れますか?」って聞いちゃう。本当にみんな「サッカー馬鹿」でした。
この「サッカー馬鹿」の集団が、とんでもなく可憐に車椅子を操ります。円盤投で選手が回転をつけて「ふんっ!」って投げる姿、想像つきますか? 彼らはこの動きを車椅子でします。回転の速さ、角度、ボールの位置。全てを計算して、他の車椅子のほんの少しの隙間を狙ってゴールを決めていきます。どれだけの練習時間を積み重ねてきたのか。私には想像ができません。
『蹴る』。 色々な人に見て欲しい映画です。いままで障がい者についてほとんど知らない人も、彼らの異常なまでの熱にきっと感動するはず。知っている人は、いままで以上に、彼らの情熱の根源がどこから来るのか、もっと知りたくなるはずです。
そして、『蹴る』が障がい者サッカードキュメンタリー3作目となる中村一彦監督。実は、この日舞台挨拶に来てくださいました。手話と同時にお話ししてくださった監督は、介護職員初任者研修を受講して、選手たちの状態や心理状況を理解するために努めたそうです。資金の少ない中での6年にもわたる撮影は、並々ならないご苦労があったと思います。
上映後、お話させていただいて、手話で「LOVE」を表して一緒に写真取らさせていただきました。その時の写真は、What's Newにアップしています。
監督のお話は、こちらのホームページにも詳しくでていますので、各選手の詳細も合わせて読んでみてください。
⇩
みなさんには、ぜひこの映画を見ていただいて、さらにこの情熱の輪を広げていって欲しいと思います。本気で生きている人たちを目の当たりにすると、きっと自分もやらなくちゃ!という思いにかられるはずです。
順番待ちも上手になりました
(4月21日)

OluOlu通信
005号
2019年5月発行
「パス」⇄「相手」と「自分」
平成から令和へ。今年のゴールデンウィークは例年にない大型連休でした。そして5月1日から『令和』へと時代は変わりました。平成天皇の退位の儀式から、令和天皇即位の一連の儀式をテレビでご覧になった方も多かったのではないかと思います。
さて我々OluOluは、と言いますと、相変わらず元気に太陽のもと元気にサッカーをしました。
連休終盤の5月4日でしたが、8名のメンバーが参加してくれました。連休のトーンからか、最初は少し元気がないようにも見えましたが、徐々に調子を取り戻していってくれたように見えます。
ゴールデンウィークの天気は、例年日差しが強いイメージがあり、この日も予想通り暑い日となりました。水分補給はこまめに、休憩もきちんと摂るように心がけることができたと思います。
いつものように準備運動できちんとストレッチを済ませて、みんな大好きな鬼ごっこでウォーミングアップ。そこから手でチームメイトにパスをする練習をしました。「後ろを振り向いて次の人にパスする」練習と、「自分の足の間をくぐらせて相手に渡す」練習でしたね。自分がパスを終わらせたら、列の後ろにすぐに移動! 簡単に見えて実は難しい。なぜなら、自分がパスをすることで満足しちゃう場合があるからですね。「もっとボールをパスしてほしい、次にパスしたい!」と思ったら、列の後ろに行ってボールをパスしてもらえることを意識してもらえると、移動ができるかもしれませんね。
そして、相手の名前を呼んでからパスをする練習!これは、チームスポーツでの連携を深めるためにとても大切な練習ですね。お友達の名前、呼べてますか?ちょっと恥ずかしいなーって思うこともあると思います。でも、誰にパスをするのかを自分で確認してから蹴りましょう。パスをもらう人も「準備いいよー」という気持ちを伝えるとよりスムーズに行くと思います。相手の名前を呼ぶ。シンプルなことですが、意外と大切なことです。

「行くよー!」大きな声で言えました
とはいえ、次に何をしないといけないか、と考えて移動するのは、結構難しい。
自分の番で、うまくいかなかった時なんかは、特に次のステップを踏むのが難しいですね。
これには、何度も何度もサッカーの練習に参加して、1回目でできなかったこと、5回目でできなかったこと、10回目でできなかったことが次でできるかもしれない、と思ってみんなで一歩ずつ頑張りましょうね。
実は、コーチたちが気づいたみんなの進歩があります。コーチが次に何をするのか説明する時に、みんなボールを触っていたり、砂で遊んだり、全然違うところを見たりしていることが多いです。「あれ?話聞いてなかったなぁ。大丈夫かなぁ…?」と思っていると、意外と自然に次のポジションに移動している子がいる。それに流れるように他のお友達も体を動かしている場合が多い。これは、パターンが自然と身についてきている証拠だと思います。お話はいつでも聞いて欲しいけれども、練習のやり方を覚えてきているんだなーと思いました。
そして、最後にいつもの通り試合をしましたね!これはみんな楽しみにしています。
今回の試合で観れた感動した瞬間。それは、ただ一人でゴールをしようとするだけでなく、チームメイトにパスをしてゴールを決めることができたこと!!チームメイトがどこにいるのかをきちんと見て、パスをするというのはとても高度なプレーです。そして、パスをもらう人が、きちんと受け止めてゴールを決めるというのも、とても高度なプレーです。今回初めてそういった高度なプレーを見れたことは、素晴らしいことでした。
こういった気持ちを積み重ねていって、いっぱいみんなで感動できると嬉しいですね。
インドのストリートチルドレン クリケットワールドチャンピオンシップで優勝
クリケット、というスポーツを聞いたことがありますか?
https://cricket.or.jp/about-cricket
日本ではあまり盛んではないスポーツですが、イギリスを初め、オーストラリアやインドなどの国で盛んにプレイされるスポーツです。実は世界での競技人口はサッカーに次いで第2位だそうです。そのクリケット。5月30日にワールド大会が開かれます。
そのワールドカップに先駆けて、Street Child Cricket World Cup (SCCWC) ー ストリートチルドレン クリケット ワールドカップーが世界で初めて、5月7日にイギリスで開催されました。
参加国は、バングラディッシュ、コンゴ共和国、イギリス、インド、モーリシャス、ネパール、タンザニアからの10チーム。
優勝チームは、Team South Indiaというインドのチームでした。
「ストリートチルドレン」がどういう子ども達か、知っていますか?道端で生活するを子ども達です。家がない子ども達です。戦後の日本では、「浮浪児」という言い方で戦争孤児の子どもたちが多く存在しました。しかし、現在の日本では見かけることはありません。
ユニセフによると、世界では1.5億ものストリートチルドレンがいると言われています。インドには、実に1100万人(インドの人口は13億人強)、イギリスには13万人ほど(イギリスの人口は約6600万人)。実際にはもっと多くの子どもたちが、大人の保護なしに生活していることが予測されます。
こういった子どもたちを支援するStreet Child Unitedがクリケットで子どもたちに自分たちの国を代表する機会を支援しました。スポーツを通して、恵まれない子どもたち、自分の存在価値についてわからない子どもたちに、「声」をあげる場所を作ることによって、彼らの生活を後押ししようとする動きです。
ストリートチルドレンには、特に用意された練習場があるわけではありません。砂埃の立つ空き地で練習したそうです。BBCのインタビューで、優勝チームのプレイヤーの一人は、「道端にいるときは、私は誰でもない。クリケットをしているときは、一人の人間として実感できる」と言っていたのがとても印象的でした。
スポーツがこうやって何人もの子どもたちの気持ちを変えることができる。空き地で、公園で。みんなで集まって、体を動かして、人との連携を感じることができる。自分が生きている、と感じることができる。これは、人間にとって基本的な欲求のはずなのに、ストリートチルドレンにとっては、今まで知らなかった感情です。生きている、と興奮して、胸を張って言える場所ができた。これは何事にも代えがたい成果だと思います。
なんてスポーツって偉大なんだろうと感じました。
得意不得意ではなく、チームメイトと一緒に何かをしている、という気持ち。こういう気持ちをスポーツを通して感じることができる。
私たちもサッカーを通して、「楽しい」と感じています。スポーツが私たちに与えてくれる喜び、感動、連帯感、人との繋がり、練習の大変さ、継続することの難しさ、そして楽しさ。全てをみんなで分かち合えるもの。これがスポーツの根本にあるのだと思います。

これから試合です。ビブスをつけるときは、みんな本当にワクワク顔になりますね。

OluOlu通信
006号
2019年7月発行
いつも違う発見に驚かされます
自閉症の方達への特別開店時間(カナダ)
梅雨真っ只中ですね。洗濯物の干し場に困ったり、なかなか布団が干せなくて、家の中がジットリしています。こんな時期、夏風邪をこじらす人も多いので気をつけましょう!
さて、6月のOluOluは、初の体育館での練習でしたね。太陽のきつい日差しや雨を気にしなくてもいいので、室内でできるのは嬉しいです。施設を貸してくださる学校に感謝です!!!
それでは6月の練習を振り返ってみましょう。
【6月2日】
参加者9名でした。コーチが3人と、品川区と法政大学から来てくださったボランティアスタッフ6名。賑やかな練習となりました。
この日は新しい練習がいくつかありましたね。ペアになってボール運びのレースをしました。ボールを落とさずに一緒に走らなければならず、相手の様子を見ながらボールと一緒に移動するのはなかなか高度でした。これは、チームメイトを意識するにはとても良い練習だと思います。
・ペアを尊重する
・ペアを応援する
・呼吸を合わせる
チームスポーツには欠かせません!!個々人の課題は色々とあると思いますが、これも練習の積み重ねですね。
風船リフティングもしました。ボールでするリフティングと違い、じっくりとどこへ足を動かせば良いのかが見えたので、みんな興奮していました!!「リフティング」という言葉を覚えたこと、また、ボールを脚でコントロールできるという感覚を知ることが出来たことが収穫だったかもしれませんね。
この日は、練習の後に参加してくださったボランティアスタッフから、たくさん嬉しい言葉をいただきました。一部シェアさせてくださいね。
「最初は、子どもたちとどうやってサッカーをするのか緊張していましたが、最後は自分が楽しんでいたので自分でもびっくりしました」
「所々でハイタッチをするなど、ボランティアとしても元気をもらいました」
「個性豊かだが、子ども同士助け合ったり、ハイタッチをしたり関わりを持つ姿が良かった」
練習中の子どもの笑顔もとても素敵ですが、最後ボランティアさんとお話をさせていただいていた時の、笑顔も
負けないくらい素敵でした。
「子どものお手伝いに来ているのに、実は自分が今日は元気をもらいました」と言ってくださった人もいます。みんなのエネルギーがこんなにも他の人に元気を与えていること、自分たちの自信へと変換してほしいと思いますよ!
【6月30日】
参加者は8名。この日はボランティアさんにも恵まれ、なんと一緒に練習してくれた仲間は、スタッフも合わせて13名!この日の「輪」も多かったです。
まず最初に、準備運動として「どん!じゃんけんぽん!!」をしましたね。線の上をなぞって移動して、出会った相手の両手に「どん!」してからじゃんけん。負けたら元来たラインに戻らなくてはいけません!!速さだけでないこの遊びに、みんな大盛り上がりでした。
30日の一番印象に残った練習は、ドリブル練習ではないでしょうか。パスと異なり、ドリブルは自分が移動する場所からボールを大きく離さずに、こまめみボールを蹴りながら進みます。大きく蹴ってしまうと自分からボールが離れてしまいますね。なので、ボールのコントロールがとても大切になってきます。初めてでしたが、みんなそれぞれドリブルの難しさを実感できてたようでした。
そして、その成果が早速試合で。。。
「ドリブルって試合でこんなに使えるんだ!」の喜びの声がコーチの耳に入りました。初めて行った練習で、子どもが感動して思わずあげた声。積み重ねてきた練習の成果が、突然異なる形で飛躍した瞬間ではなかったでしょうか。純粋に嬉しいです。
初のドリブル練習。ボールを自分から離さずに、
少しずつけるのは、結構難しい(6月30日)

楽しい試合の後は、チームメイトとハイタッチ!(6月30日)
アーンプライアーというカナダ南部の町のお店で自閉症を持つ人たちのために特別な開店時間を設ける、という試みが開始されました。
No Frillsという、カナダ全体で200店舗ほどを展開する食料品ディスカウント店の一つで行われています。
月曜もしくは火曜日の朝早い時間帯に、照明を落として、店内放送や音楽もなし、店員は香水をつけないで対応してくれます。自閉症の人たちが一般的に苦手とされている感覚への刺激をできるだけ抑えるようにしているそうです。
店長のマーク ハリソンさん自身、二人のお子さんが自閉症。店員の一人の女性が、他のお店で自閉症の人たちに向けて行われているプログラムを知り、それをハリソンさんに提案。自分のお店でも取り入れたい、とすぐに実行に移したそうです。
利用者の方は、自閉症の人は当然のこと、例えば視覚障害を持っていて、店内アナウンスなどの音に(補聴器などが)敏感に反応してしまう人にも評判は上々のようです。
障がいを持つ人やその家族の人たちが、社会が自分たちを含もうと動いてくれることに感謝するにとどまらず、この動きが社会全体に、障害を持つ人たちの存在を知らせることへと繋がります。この事が、最も大きな影響ではないかと思います。
障がいを持つ人たちのことを考えることが、障がいを持つ人たちやその家族にだけ恩恵がいくのではなく、より大きなフレームで考えると、実は社会全体への貢献へと繋がるということです。
No Frillsのように、カナダの町の一つの店舗の活動がニュースになり、その情報が世界へと発信されることによって、私たちへ届いた彼らの気持ち。これによって今まで障がい者に関わりのなかった人たちが、自閉症を持つ人たちが、ライト、音、ニオイに敏感であるということを知ることができた。これはとても意味もあるステップだと思います。
https://www.cbc.ca/news/canada/ottawa/arnprior-grocery-sensory-sensitivity-1.5004494
OluOluの活動も同様のことが言えるのではないでしょうか。参加してくれているメンバー。そしてその家族。そしておじいちゃんおばあちゃんがいます。きっとお友達にもOluOluの活動をお話ししてくださっている方は多いと思います。さらに、何人ものボランティアの方々が参加してくれています。彼らの中には、ボランティア自体が初めて、という方々も多くいます。様々な人たちと私たちが大きな輪で繋がって、その輪がどんどん大きくなっていっている。そしていつか、私たちが今想像できないような数の人たちが、私たちの活動を知ることになると思います。
大切なことは、継続していうこと。私たちの輪を途切れさせることなく、楽しく、少しずつ輪を広げていくことなんだな、と心から思いました。
練習以外での話になりますが、今回は練習が全て終わった後に、みんなでお掃除をしましたね。これは、お世話になった体育館に感謝の心を込めてみんなでできる共同作業としてとても良いと思いました。きっと遊びでみんな参加してくれたのだと思います。その楽しい気持ちが、お掃除につながるなんて、とても素敵だと思いませんか。今後もぜひこれを習慣にして続けていきたいと思います。親御さん方も、ぜひ子どもたちを褒めてあげてくださいね。
次回の練習は7月15日です。
なんと、菊地コーチの個人レッスン(20分)を行う少し特別な練習日です。みんながどんな特別レッスンを想像してきてくれるのかとても楽しみです!

OluOluの輪は、必ず全員で
最後にお掃除!!!(6月30日)

OluOlu通信
007号
2019年9月発行
夏休みが終わりました。秋も元気にサッカーしましょう!!
楽しむこと 楽しませること
長い夏休みも終わり、2学期が始まりました。
8月はCPサッカー・障がい児サッカーもお休みでしたが、2学期初のレッスンが9月14日に行われました。
この日は、OluOluが今年度助成を受けている公益財団 法人キリン福祉財団さんから、理事の太田さんがご多忙の中見学に来てくださいました。最初から笑顔満開の太田さんは、ストレッチから練習に参加してくださって、最後まで笑顔でみんなのサッカーをしている姿を心から楽しんで観てくださいました。太田さんは、良いコーチや多くのボランティアスタッフによって安全でレッスンができていますね、というとても嬉しいコメントをしてくださいました。いただいた嬉しいコメントを糧に、これからもみんな楽しくサッカーをしていきましょう!

さて、2学期初レッスンは、じっくりとしたストレッチから始めましたね。みんなコーチの掛け声に合わせてしっかりとやっていたように思います。ストレッチは怪我の予防のためにどんな運動をする前にも大切です。ご家庭でスポーツをする時にも、是非積極的に取り入れてくださいね。

ストレッチの後は、こおり鬼をしてウォーミングアップをしました。みんななかなかすばしっこかったので、あっという間にみんな氷になってしまってました。この調子です。
ドリブルの練習では、ちょうどよい力と方向に少しずつボールを蹴るのがとても難しいです。自分とボールの距離をコントロールするのが鍵となります。いっぱい練習して、ボールがどこかへいってしまわないように、そして早く移動ができるように意識しましょう。

みんなで順番にパスの練習もしましたね。随分とまっすぐ蹴ることができていました。お友達の名前を呼ぶときの声がまだまだ小さいかな。恥ずかしがらずに呼んでくれるといいなと思います!
夏休み明け初めての練習だったので、集中力を保つのが少し難しかった様子が見受けられました。練習のパターンをきちんと頭ではわかっていても、コーチに言われた通りに機敏に動くことが、なかなか難しそうです。次の練習では集中をしてお話を聞けると良いですね。
コーチの指示をきちんと聞けてそれを行動に移すことができると、より高度な練習をすることができます。一人一人の技術の強みが見えてきて、いろいろなことに挑戦してもらうことができます。
例えば、「よりまっすぐにあと5メートルボールを蹴ることができる」とか、「もう少しスピードを上げてまっすぐ蹴ることができる」など、同じことをするのでも、技術が上がると、自信にもつながりますね。
コーチやボランティアスタッフは、みんながどんな風に成長していっているのか、しっかりと見守っています。
以前はできなかったことができた!という一歩一歩みんなで喜んでいきましょう!

子どもが習い事をすることは、とても刺激的で、新しいことを学んで、前へ一歩進むためにとても良いことです。
私も子どもの頃、いろいろな習い事をさせてもらいました。公文に習字。ピアノもやってました。どれだけ大人になって役に立ったの?と聞かれると、習字は字の書き方でしょうし、公文は早く計算すること、でしょうか。いずれにしても、大人になるための絶対条件だったわけではなく、「こういうスキルがあると得をする、かもしれない。のでやってみた」というものが結構あるのではないかと思います。
今の時代、本当に色々な習い事があって驚かされます。単発の教室も多数あるので、保護者の方々は子どもたちがいかに様々な分野に触れて、いろいろな経験をすることができるのか、と考えながら様々な選択をすることができます。例えば、プログラミングは、もう直ぐ小学校でも必須科目とされるため、至る所で教室の広告を目にすることができます。療育施設なども、色々な理念やカリキュラムがあるので、何をどのように選択すればいいのか、と悩む保護者の方が多くいると思います。
OluOluのサッカー教室も、その選択肢の一つで、皆さんの選択理由も様々だと思います。サッカーをやらせてみたかった。何でもいいからスポーツをやらせてみたかった。きっかけは何であれ、こうして皆さんに出会えたことが何よりも嬉しいと思います。
サッカー教室を開催していて、何よりも嬉しいな、と思う瞬間が、子どもたちが嬉しそうに笑っている顔が見られた瞬間。そして、「楽しかった!また次回!!」という気持ちで体育館を出て行く背中が見れるときです。その笑顔が見れると、「OluOluを始めてよかったな」とつくづく思います。
何よりも、「楽しい」と思えること。それが「上手になりたい」とか「また来たい」という気持ちに直結します。楽しくなかったら、また来ようなんて思いませんものね。「楽しい」と思ってくれている顔を見ると「楽しませてくれてる」という気持ちも生まれて、コーチもボランティアスタッフも「楽しな」って思ってくれます。常にこれが循環するわけですね。とても良い空気が生まれていくと思います。今のこの雰囲気を大切にして、またみんなに「楽しんで」もらいたいと思います。
今回の通信では、自分の障害を飛び越えて、ひたすら自分が好きなこと、楽しいこと、そして人に楽しんでもらうことが大好きな、全盲自閉症、そしてピアニストでありシンガーであるKodi Lee (コーディー・リー)という男の子を紹介したいとおもます。
America’s Got Talentというアメリカの番組を聞いたことがありますか?自分の持っている才能を競い(もちろんかなりの努力をして、全米で披露できるだけの自信と“才能”を身につけた人たちが出場しています)、審査員の辛口の批評、全米の国民投票というそれこそ心臓が口から飛び出てしまいそうなステージに出なければいけません。
勝者には、日本円およそ1億円が渡される上に、ショーの中ですでにメディアにも注目されるので、即デビューも夢ではない。まさしくアメリカ生まれらしいです。
この番組に、コーディーが登場します。
お母さんと一緒に、白い杖を持って登場するコーディーに、見る人はきっとある程度の緊張感を持って彼の演奏を待つことになります。息子さんがピアノを弾きながら歌を歌う、と言うお母さん。「本当にできるのかしら?」と思ったのは私だけではないと思います。
でも、「準備はいい?」と聞かれて「うん」と言うコーディーの顔に迷いはありません。恥ずかしさや緊張もほとんど見られません。そして次に聞こえてくるのは、彼の素晴らしい歌声と高度なピアノテクニック。会場が歓声に包まれていきます。
自分が「楽しい」ことを他の人にも見て欲しい。「楽しんで」欲しい。そんな気持ちにまでさせてしまう彼は素晴らしいと思います。人前でパフォーマンスをする人には、ある程度の度胸と自信が必要となります。コーディーには確かにこの二つがある。でも、多分それ以上に、「楽しいんだもの!」と言う気持ちが強いからこそ、あれほどの舞台に立って、見る人を一瞬にして魅了していったのだと思います。
みなさんも是非、コーディーのパフォーマンスを見て思い切り「楽しんで」ください。

OluOlu通信
008号
2019年10月/11月発行
10月は台風で練習が中止に。
でもハロウィンサッカー教室は盛り上がりました!
スタッフのウォークが、オリンピック・パラリンピックのボランティア研修に行ってきました!
大型の台風に何度も訪問された日本列島。各地で様々な災害が聞かれました。みなさまのご家族や親戚の方々で被害にあった方はいらっしゃらなかったでしょうか。亡くなられた方も何人もいらっしゃいます。この場を借りてご冥福をお祈りしたいと思います。
OluOluのサッカー練習も10月12日に予定されていましたが、鉄道各社が運転を見合わせたため、早々に練習をキャンセルすることになってしまいました。何よりも安全第一です。
お知らせした通り、今後も台風等の対応に関しましては、気象庁や交通機関の最新情報をもとに、開催日前日の夜7時までには対応を決定します。よろしくお願いいたします。
10月27日のサッカー教室は、いつもと趣向を変え、ハロウィンテイスト満載で行いました。見事、ゴーストたちを倒し、楽しいレッスンになりました。
みんなの成長がとても見られた11月のレッスン
11月は2回レッスンがありましたね。
17日はいつもの特別支援学校の体育館ではなく、イトーヨーカドー大井町店屋上のフットサルコートを借りました。都心ならではの風景と青空を楽しみながらサッカーができたので、少し特別な感じがしましたね。
今回のレッスンでみんなが思ったこと。それは、子どもたちがすっごく成長したなということ。
コーチの話を聞く。
順番を待つことができる。
他の子がプレイをしているのを見ることができる。
試合中に、相手の動きを見ることができる。
試合中に、ボールと自分の動きをきちんと把握することができる。
本当にあげたらきりがないくらいに成長したみんなを見ることができた有意義なレッスンだったと思います!


そして今回は新しいお友達も増えましたね。とってもフレンドリーで動くのが大好きなお友達です。これから、お互いをもっと知り合えたら良いですね。
さらに今回は、みんなに嬉しいプレゼントがありましたね。OluOluのお揃いのTシャツです。コーチやスタッフは黄色ベースのOluOluTシャツ、子どもたちは白色ベースのTシャツです。ポーズがバラバラなのはご愛嬌。みんなでビシッと決められるOluOluポーズを考案したいと思いますので、12月にまたみんなでサインしながら写真を撮りましょう。
来年の夏に、オリンピックパラリンピックが開催されます。あと8ヶ月です!みなさんが興味のある競技は何でですか?
東京オリンピック・パラリンピックから新たに加わった種目が何種類かあるのをご存知でしょうか?
オリンピックでは、33競技が開催されますが、実は新たに5競技(野球、ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィング)が加わっています。
パラリンピックは22競技が予定されていますが、新たにバトミントンとテコンドーが加わっています。競技数は変化していませんが、種目自体は12種目増えているそうです。見応えがありそうです!
さて、研修って何するの?と興味のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回の研修は国立オリンピック記念青少年センターで行われました。会場には300人ほどのボランティアたちが参加して、とても熱気にあふれていました。
内容は、オリンピック/パラリンピックの歴史から始まり、競技内容の簡単な説明。同じ机に座った”仲間”といかに一瞬にして盛り上がれるか、というジャンケンを使ったワークショップもしました。ジャンケンでいかに盛り上がれるか。最初はみんなビックリしていましたけど、意外とできるものです。
研修の中でもとりわけ印象に残った45分間があります。全盲の職員さんが「障がい」についてのお話をしてくれたことです。
いくつかワークショックを行ったわけですけれども、一番最初一枚のパネルを見せられました。
車椅子に座った女性が、階段を通らないとたどり着けないお店というシチュエーションの絵です。
そこで質問されます。「この中で、『障がい』は何ですか?」
私は、「女性がお店に簡単にアクセスができないことが障がい」と書きました。要するに、車椅子ではお店に行けないのだから、階段が障がいで、そばには誰も助けてくれそうな人がいない、という理解です。
しかし、職員の人の説明は「車椅子に乗っていることが障がい」であると。一瞬わからなかったのですが、「障がい」というものは、一個人が持っている何らかの状態が社会の中で行動した時に支障をきたすのであれば、その原因が「障がい」ということですね。
なので、この女性の場合は、自力で歩けないことが障がいとなる。。視点の違いです。なので、私が書いた「階段が障がい」は、「社会的障がい」となって、個人が行動する場合に、不都合があるのであれば、それは社会が作り上げた「社会的障がいである」ということになるようです。
何だか難しいです。実はこの理解があっているのかも完全には自信がない。
要するに、「障がい」ということは、個々人が持つ、精神、身体、立場、年齢、外見、あらゆることを含めた要素において、不都合があれば、それが「障がい」として受け止められるということですかね。
こちらの研修でこういう定義についての認識をトピックスとして取り上げた、ということは、一般的なイメージの「障がい者(例えば精神障害や難聴など)」に対しての差別や認識のなさを指摘したかったのではなく、例えばLGBT(同性者愛や性同一性障がい者など)に対する差別、年齢を理由とした就職採用拒否など、あらゆる「障がい」について気づくことの大切さを教えていただいたのだと思います。
オリンピック・パラリンピックには、本当に様々な人が参加します。きっと今まで出会ったことのないような背景を持った人、考え方、外見。色々な人がオリンピック・パラリンピックという一つの大きな目標のもとに集まるのだと思います。想像もつきません。でも、「知らなかった」自分から「知っている」自分へ変化することによって、とてつもなく視野が開かれていくのではないか、という大きな期待を持たずにいられません。
そういった視点からオリンピック・パラリンピックを考えてみても、また面白いと思いました。
このことは、「Know Differences, Show Differences ちがいを知り、ちがいを示す。」という考えのもとで活動を進めている組織員会の考え方が大きく反映されているものと思いました。
最後に、全てのボランティアさんへ向けて松岡修造さんがビデオメッセージを送ってくれました。ここでお見せできないのがざんね。でも、想像できるようにとても熱いメッセージでしたよ。
そして、ボードに書いてくださった「全員団結」!の一言。会場の入り口にきちんと置いてありました。
みんなで団結して、その場にいる人もいない人も、日本が一つとなって2020年の夏を盛り上げていきたいですね!

11月24日のレッスン
24日は、品川区の御殿山小学校の体育館を借りて練習を行いました。小雨がぱらつく1日でしたが、元気に7名のお友達が来てくれましたね!
この日は、新しいボランティアスタッフが二人が来てくださいました。お二人ともとてもやさしい方々でしたね。とても楽しかったと、感想を伝えてくださいました。そのうちの一人は、中学1年生のお兄ちゃんで、みんなからすぐに慕われた、とても優しいお兄ちゃんでしたね。今後も引き続き来てくれるそうですので、楽しみにしましょう。


鬼ごっことストレッチで体をほぐした後、風船で上手に「球」を追う練習をしました。パートナーと一緒に上手に風船を扱わないといけなかったけれどお、なかなかどうして、みんな上手にやろうとする意思がたくさん伝わってきました。
ドリブル練習では「10回蹴りながらゴールまでいく」そして、「20回蹴りながらゴールまで行く」という課題がありました。ボールをチョコチョコと蹴るのは難しいです。でも、自分でボールを持っていきたいところに蹴ろうと思うと、この練習は必須!みんながそれぞれのペースで一生懸命やっている姿は、とても感動的でした。
シュート練習では、一つのポールに目掛けてボールを蹴ることがとても難しかったと思います。少し諦めてしまっていたお友達も見られました。
でも、これも練習あるのみ!また次回もいっぱいシュート練習しますよ!!
毎回同じようなメニューでも、少しずつ高度になったり、違うルーティンで行ったりします。子どもたちが指示をきちんと聞くという姿勢が少しずつ確立されていっていると思います。こうなると、上達へもつながっていきますね。
2019年最後の練習は12月22日です。是非また元気な顔を見せにきてください。
