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OluOlu通信
009
​2020年1月発行

令和2年もよろしくお願いいたします。

​2019年最後のレッスンも楽しくできました

12月22日に、いつもの品川区特別支援学校の体育館で行われました。

寒くなってきたこの頃、屋内施設を利用できることはとても助かりますね。

 

今回は、体調を崩したお友達も何人かいましたが、一人体験の方も合わせて7名でサッカーをすることができました。

コーチとボランティアスタッフも大勢来てくれましたね。賑やかにレッスンができました!

 

今回の練習メニューは、ラダーから始まりました。久しぶりのラダー。もしかしたら今回が初めての子もいたかもしれません。枠の中に一歩ずつ、ゆっくり行ったり早く行ったり、両足で跳んだり。メニューは色々とありますが、なかなか難しかったでしょうか? いろいろなメニューをこなして、様々な筋肉を使ってください。そうすることでボールを蹴るときの動きにつながると思います。

そして恒例の鬼ごっこ。きゃーきゃー言いながら逃げたり追いかけたり。いつの間にか体も温まりましたね。

ボールを実際に蹴る前に、風船で遊びました。これは、浮いてる風船に狙いを定めて蹴ったり、ヘディングを練習する動作。ゆっくり動く風船といえど、きちんと目で風船を追って、足や頭で当てようと思うとなかなか難しい。でも、楽しいですね。前回と同様、やっぱり笑顔いっぱいなメニューでした。

 

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さて、ボールが登場した途端、みんなの表情が変わります。やっぱりサッカーをする、となるとボールを見る目になりますね。とても良い傾向です。

まずは、前回も練習をしたドリブル練習。チョコチョコとボールに触れながら前へ進みます。どうしてもボールを蹴る力加減が難しくて、ボールを追いかけて走ってしまうこともありますが、みんな上達が早い!

このメニューでは、

1)なるべく細かくボールを触って、体育館の反対側へ移動する

2)終わったら座って、他のお友達を待つ

3)また同じように反対側へ戻る

​4)次の指示があるまで座って待つ

と言う指示がありましたね。みんながこの多くの指示をきちんと聞いて、お友達を待つことができていたのは、とても素晴らしいと思いました。

さて、最後は恒例の「試合」です。

いかにドリブルやパスを上手に使うかがとても難しいですが、ドリブルを使って移動をしようとしている子が多かったですね。大きなプラスな変化です。

次の大きな目標は、お友達にパスをしながら移動すること! これがとても難しい。一つのゴールに向かって移動するのも大変なのに、敵がいっぱい目の前にいるのを避けながらですからね。でも、まず意識をするのが大切です。

​団体スポーツは、仲間と一緒に楽しむものです。少しずつチームメイトを意識しながらゴールを目指せると良いですね。

その一つの方法として、

1)チームメイトの名前を呼び合う

2)良いプレイをしたら「やったー!」などの声を出す、もしくはチームメイトとハイタッチをする

など、声を出して試合を盛り上げることを意識すると良いですね。

2020年の練習も楽しみです。笑顔でいっぱいのOluOluにしていきましょう!!

都立学校活用促進モデル事業 スポーツ体験教室「障がいのある人もない人も誰もが楽しめるスポーツ体験教室 スタッフ養成講習会」に参加してきました!

「障がいのある人もない人も誰もが楽しめるスポーツ講習会」に、ウォークと田中コーチが参加してきました。

 

日本体育大学 スポーツマネジメント学部 の野村一路教授のご指導のもとで、一日研修会。

大学の研究室の学生たちがスタッフとなって講習会がスムーズに運営できるように一生懸命手伝ってくれていました。

 

野村先生は、平成30年度には一般社団法人全日本知的障がい者スポーツ協会会長、平成25年度から31年度には国際知的障害者スポーツ連盟アジア地区執行委員スポーツ協会会長も勤められています。また東京2020のパラリンピックにも関わってらっしゃるので、本当に話題豊富な先生です。

実は、ウォークが野村先生に初めてお会いしたのは、オリンピックパラリンピックのボランティア研修でたまたま横の席に座った先生に、名刺交換をさせていただいたのがきっかけです。

ご縁はどこに転がっているか、わかりませんね。

この講習会の目的は、障がい者スポーツに関わるスタッフのステップアップを目的としていますので、ここで皆さんにその詳細はお伝えしませんが、講習の中で有意義な考え方や情報を得ることができたので、いくつかご紹介したいと思います。

「障がいの有無を問わず、幅広い年齢層にも即し、身体を動かし、運動をして、スポーツに参画し、他者との関わりを通して仲間を作り、有機的なコミュニティを作り出すには、何よりもそれができる環境を作り、企画・運営のできるスタッフの養成が欠かせません。」

と言う基本的な考え方が紹介されました。

1.「障がいのある人もない人も誰もが楽しめるスポーツ体験教室」と講習会のタイトルにもある、「障がいの有無を問わず」と言う言葉について、改めて思ったことがあります。

障がい者スポーツ教室やイベントにおいて、

1)主体となる障がい児・者

2)その家族や友人

3)企画を発案・運営するスタッフ

​4)実施するために集まったスタッフ(多くの場合「ボランティア」と呼ばれます。野村先生は、関係者全ての人たちを「スタッフ」と呼びます。)

の人たちが関わってきます。これら全ての人たちがフルに参加することで、企画・イベントが成り立つわけですね。

これが、「誰もが楽しめる」わけです。

​参加者側だけが一方的に”楽しめる”企画・イベントではなく、参加している側も、企画した側も一緒に楽しむ。そういう気持ちで参加者、スタッフがその場にいる。その雰囲気をみんなで一緒になって作ることを意識して、みんなで楽しめる場になります。

そのことを改めて思い返しました。

OluOluでも、参加者の子どもたち、コーチ、ボランティア、保護者の皆さんも一緒になって楽しんでいる素晴らしいコミュニティが出来上がっていると改めて自信を持ちました。

2.「スポーツ教室の開催」と言う言葉。

この意味を改めて聞いたときに、サッカーのレッスン中にも、OluOlu発信のSNSでも、この通信でも何度か出てきている「継続」と言う言葉。これをいつまでも大切にしたいな、と改めて思いました。

「スポーツ教室の開催」そして参加という形になると、継続性が必須です。

野村先生は、「スポーツ教室」と言うだけで、そこに継続性が出来上がるし、教室が開催されることによっていろいろな人が定期的に集まってコミュニティーが出来上がる、とおっしゃっていました。当たり前のようなことですが、改めて納得させられました。

企画の目的に賛同する人なら誰もが参加できて、継続された集まる場として提供されることによって、新しいコミュニティが形成されるのですね。

​3. 交流促進

一瞬聴き慣れない言葉ですが、よく考えると「交流を積極的にすることかな?」と思いつくかと思います。

 

人と人がコミュニケーションを取る場合、まず自己紹介をします。

大体が名字で自己紹介しますね(1)。

そのうちに会話の中で(2)、下の名前で呼ぶ機会ができてくる場合がある(3)。

もっとお互いのことをについて情報交換をする(4)。そして、出会ったコミュニティの外での交流を求めて、LINE交換したり、メールアドレスや電話番号を交換したりする(5)。

と言ういろいろと親しくなるための段階を経るわけです。

スポーツ教室開催中にも同じことが言える。

そして、コミュニティーの中で「交流促進」が行われるのは、決して、一対一だけではなく、参加者、保護者、スタッフ、ボランティアの各カテゴリー間で行われたり、カテゴリーを飛び越えて複雑に行われるわけです。

でも、「交流促進」とは、どこかやっぱり努力をしながらされていくもので、待っているだけでは効果はない。

それが例えば、練習中に、誰かが良いプレーをした場合にはハイタッチをする、とか。パスをするときに相手の名前を呼ぶとかに表れる。色々な形態があります。スタッフ、ボランティアの間でもLINEグループやメールグループが形成されていて、そこで情報が交換されることも、「交流促進」を促すことへつながっています。

これらの「交流促進」について考えて積極的に行っていくことで、コミュニティー内での親近感や仲間意識などが向上されていくことは明らかかと思います。

OluOluも今とってもいい雰囲気で教室が行われていると思っています。子どもたちが今以上にもっと自分を出して、サッカーを楽しんでできるように、「交流促進」と言う視点からもサポートしていきたいなと思いました。

4.最後にオリンピック・パラリンピックに向けて

今年のオリンピック・パラリンピックの開催に向けて、本当に様々なスポーツイベントが開催されています。そして、障がい者スポーツの紹介や体験教室の多さにも目を見張るものがあると思います。

これには、オリンピック・パラリンピック開催をとっかかりとして、期間が終了した後も障がいの有無にかかわらずスポーツをしてもらいたい、と言う国の気持ちも大きいようです。

スポーツ基本法に基づくスポーツ基本計画というものがあります。成人のスポーツ実施率や子供の運動能力を昭和60年代にまで戻したい、などいろいろな目標を掲げている計画です

スポーツをしていない人が、スポーツに取り組むのは、とても大きな一歩と勇気が要ります。その大きな垣根をなるべく取り払って、いろいろな人にスポーツを実施してほしい、という計画です。

具体的な実施率なども挙げられていますが、印象に残るのは、実際にスポーツをする人は当然ですが、それを応援する人、プロのスポーツを観戦する人、イベント等にスタッフとして参加する人たちにも注目をして、あらゆる形生涯を通してスポーツに関わってほしい、とも書かれているところだと思います。

これは、長い目で見た場合、とても有意義な計画になると思いました。お時間のあるときに目を通すと、興味深いかもしれません。

 

師走の忙しい中での参加でしたが、行ってよかったなと思いました。

わかりづらかった説明もあると思いますので、もし何かありましたら、ご連絡をください。できる限りご説明させていただきたいと思います。

意見交換もお待ちしております。

​​最後に。​​スポーツって素晴らしい!!​​

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白いジャージが野村教授。一番右は、研究室の今野さん

​お世話になりました!

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OluOlu通信
010
​2020年2月発行

体調管理が大切な時期ですね

平等と合理的配慮
2020年最初のレッスンは、
OluOlu思い出の場所にて

​1月19日のレッスンは、OluOluが活動を始めたばかりの頃にお世話になった公園で行いました!  この日は幸運にも雲ひとつない青空の下、太陽のポカポカを感じながらの練習でした。

練習前に、まずボールの扱い方の幅を広げることと、ストレッチを目的とした準備運動をしました。

ボールを地面に置いて、自分の足の周りにコロコロ回したり、足の間に転がしたりしました。しっかりとできてる子もいました。難しいと感じた子は、ボールの位置と自分の位置をきちんと把握できるように自分のボールでも練習すると良いですね。

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今回の練習のテーマは「相手を意識する」こと。

そこで、いつもの鬼ごっことは少し異なって、鬼にボールを取られないようにボールをラインから反対側のラインへと蹴る練習をしました。鬼はゆっくり動いてくれますが、それでも蹴った方向によっては鬼に邪魔されちゃいます。しっかり狙ってボールを蹴ることができました。

テーマに沿った今回の練習のメインは、2段階にわけたメニューでした。

1段階: パートナーとボールのパス練習をする

2段階: パートナーにボールをもらい、しっかり受け止める。後ろを振り返ってゴールを狙ってシュート!

1段階目は、今までも何度もやってきた練習メニューでしたね。なので、お互いの名前を呼ぶことも少しずつできていましたね。

2段階目の動きは、今まで行ったことがなく、とても複雑です。後ろを振り向いてシュートができるのかな、と心配しましたが、そんな心配なんのその。初めての練習メニューにもかかわらず、みんなとても上手にやってましたね。後ろを振り向いた時もバランスを崩すこともほとんどありませんでした。

高度な練習内容にもきちんとついてこれる子どもたちの成長に対してスタッフ一堂、満面の笑みでした。

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友人から、放課後の学童保育について困っているんだよね、と聞きました。

春の進級に伴い、今までよりも1時間早い時間までしか預かってもらえなくなってしまうのです。今まではお迎えに行けていましたが、学童からの下校時間が1時間早くなると、お子さんが1人で危ない道を歩き、留守番をしなくてはなりません。小学生の子どもを持つ親にとっては誰でも心配になる状況。ましてや身体の状態に特別な配慮が必要なお子さんがいる友人にとっては、毎日、帰宅までの時間がとても不安だらけなものになってしまいます。

学校に相談しても、1時間の延長は認められず、担任の先生からは「一人で帰宅するという“自立”をさせるべき」というアドバイスを受けたそうです。学校としても例外は認めたくないという事情があるのだという事は想像できますが、「すべての子に同じ対応=平等」という一面的な平等の考え方が、非常に残念に思いました。

 

友人は学校だけでなく、関係各所に相談をしたのですが、なかなか良い解決策は見つかりません。区として何か対策はないものなのかと、私も気になり調べてみましたが、学童の担当窓口の方のお話では、例外は一切認めないため、地域の相互援助活動(地域の有志に利用料を支払いサポートしてもらう制度)を使って解決するように、という説明を受けました。また、福祉の窓口でも、有効なお話は伺えませんでした。

子どもの身体の状態などにより、1時間早い時間に帰宅させるには不安だという十分すぎる理由があっても、時間の延長などという対策は他の保護者からの要望と同じく、一切受け付けません、というのが現状のようです。

 

この話を聞いて思ったのは、平等とは何か、ということです。

区や学校は、例外は一切認めない、という「平等の対応」をしていることは分かります。

でも、色々な心身の特徴や家庭環境など、異なった状況がある子供たちがいる学校の中で、皆に同じ対応をすることだけが平等というのでしょうか。どんな背景の子でも、安心して学び安全に過ごすことができる、という視点での「平等性」も見て、対策を取って欲しいと思いました。

 

 

障害者差別解消法という法律の中で、「合理的配慮」の大切さが書かれています。合理的配慮とは、かみ砕いて言うと、障がいなどがある人が生活をする際に困ってしまう事・助けが必要な事に関して、事業者の過度の負担にならない範囲でその障壁を取り除こう、という考え方です。

 

スポーツ観戦のイラストを使った説明を目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。スポーツ観戦で塀の前に立つ3人の人。1人は長身で塀があってもよく見える。もう1人はぎりぎり頭が塀に隠れてしまって背伸びをすれば見える。3人目は塀のせいでまったく見えない。一面的な「平等」の考え方では、3人共に、脚元に同じ高さの踏み台を置く考え方。これで、中間の背の高さの人は見えやすくなるが、依然として低い人は見えない。また、長身の人は元々見えていたので実は踏み台が必要ではない。そこで、長身の人には踏み台をなくし、中間の人には1つの踏み台、背の低い人には2つの踏み台を使えば、3人ともよく見える状況になる。背が低い人は、2つの踏み台の上に立てば見えるので、ハイチェアに座らせるという過度な対応はこのケースにおいては必要ではない。

この考えが、「合理的配慮」で、それにより、3人とも「平等に良く見えるようになった」と言えます。

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そして、この練習の流れで挑んだ試合!↓

合理的配慮

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なんと、チームメイトからのパスを受けて、見事シュートまでの一連の流れを見ることができました。

コーチが、「パス!」と言った言葉に反応して、上手にパスをし、チームメイトもそれを受け取ってシュートにつなげる。

全員が素晴らしい動きを見せてくれました。

残念ながら点数には結びつきませんでしたが、また次があります。

今回のあまりにも大きな収穫は、周囲の声(コーチ)に反応して、その通りの動きができたこと。それによって連動した動きをチームメイトとしてすることができたこと。

継続してきた練習の効果と、スポーツをする楽しさの融合ができてきているのだと実感しました。

​この動きが、チームメイトの一人ひとりに浸透して、話となってつながっていくことがとても楽しみです。

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最後のあいさつも上手にできました

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​練習後は、ちゃっかり甘えてブランコで遊んでもらっていました

話を戻しますが、特別な配慮が必要な子どもが、他の多くの児童と同様に学校生活を安全なものにするため、帰宅路と留守番が現段階では危険であると保護者が感じた状況では、合理的配慮がなされてもいいのではないか、と思いました。

例外は認めないという平等の対応から、安全に安心して帰宅できるようにするという合理的配慮への転換です。

 

それを行うのはきっととても難しいだろう、という事ももちろん分かります。様々な背景の子ども、様々な背景の家庭がある中で、組織として、誰にどの程度の対応をするのかは、判断が難しいでしょう。例外は簡単には認めたくない、という気持ちは分かります。

しかしながら、そのような声を無視しては、現実の生活に密着したレベルでの合理的配慮のある社会の実現は、難しいのではないのかと思います。

 

そのために私は、OluOluは、何ができるのか。

声を上げ続けることだと思います。

障がい児の子育てを通して見ると、それまで感じていた平等が、一面的だったと思うことがあります。そして別の角度から見える平等に気づくことがあります。きっと、どちらの平等も正しい。でも双方の平等が異なれば異なるほど、歪を生みます。

当事者の立場で、合理的配慮が現実に即したものになるため、そして、合理的配慮を掲げる障害者差別解消法が、名ばかりの法律にならないために、声を上げる続けることが大切ではないかと思っています。

 

わたしたちOluOluは、障がい児のスポーツ・文化活動の応援団であり、彼らを育てるお母さん、お父さんの仲間でもあります。仲間として、悩みなどを共有し解決のために一緒に考え、そして発信していける団体になれたらいいなと思います。

ご要望にお応えして、今後ストレッチの紹介をしていきたいと思います。

今回は、大塚コーチによる紹介です!

今回からストレッチの方法について、少しずつ紹介させていただこうと思います。

単にストレッチと言っても様々な方法がありますが、ここでは筋肉を伸ばして、可動域を広げるようなストレッチについて紹介します。

 

 方法を紹介する前に、今回は初回ということで、ストレッチを行う際の基本から確認しましょう。

 

① リラックスして身体の力を抜く

 ストレッチはリラックスして行いましょう。痛いのに我慢したり、また息を止めるようなストレッチは、力が抜けにくく、筋が伸びづらくなってしまいます。また、「ストレッチは辛くて嫌なものだ」とお子さんの意欲低下につながりかねません。

② 反動をつけずにゆっくりと伸ばす

反動のように急激に伸ばされると、筋は損傷しないよう反射的に縮もうとし、逆に伸びづらくなってしまいます。時間をかけてゆっくり伸ばしましょう。

③ 1回20秒程度を、毎日複数回行う

上記がベストですが、毎日行うというのは正直ハードルが高いかと思います。少なくとも3日以上あけないようにしましょう。秒数は筋肉の大きさによって異なるため、あくまでも目安となります。

④ 伸ばしている筋を意識して伸ばす

どこを伸ばしているのかを意識することで、目的が明確化し効率が上がります。お子さんには一緒に行う方が促してあげましょう。

⑤ リスクに注意する

お子様によって、身体のつくりは異なります。リスクに注意し、身体にあった方法を選択することが必要な場合があります。Dr、PTなど専門家にも相談しつつ、行っていくようにしましょう。

 

上記のような点に注意して行いましょう。

 

 

ストレッチで得た柔軟性を維持するためには、その柔軟さを生活の中の動作に活かしていくことが重要です。

例を挙げて言うならば、①足首が硬くてしゃがめない、②足首のストレッチを行う、③足首が柔らかくなりしゃがめるようになった、④生活の中でしゃがむ動作を取り入れる。というようなことが必要となります。

ストレッチと合わせて、いろいろな体の動かし方をしていくことも、身体の柔軟性を高めていくことにつながってきます。

oluoluのような運動機会を活かして、たくさん身体を動かしていきましょう!

それでは第1回目として、ももの裏側、ハムストリングスのストレッチについて紹介させていただきます。

 

ハムストリングス(もも裏の筋肉)の筋肉の働きは…

 

・ 股関節を伸ばす

・ 膝を曲げる

 

固くなると

・ 膝が伸びづらくなる

・ 腰への負担が大きくなる

このようになります。

 

座った姿勢での静的ストレッチと、ジャックナイフストレッチ(動的ストレッチ)をご紹介!

【長坐位(静的ストレッチ)】

 

​​​​​​​​① 脚と腰を真っすぐ伸ばして座る​​

​​② 脚の付け根から折れるように体を倒していく

*腰を曲げるのではなく、あしの付け根から曲げていく(骨盤から倒していく)

*膝は曲がらないようにする

*膝のお皿とつま先はまっすぐ上に向ける

 

 

 

 

【ジャックナイフストレッチ(動的ストレッチ)】

 

​​​​​​​​​​① しゃがんで踵をしっかりとつけて、足首を持ち胸とももをつける

 

 

② ゆっくりとお尻を上げ、頭を下げて 5秒程度キープする

 

 

③ おしりを下ろしていく

④ 5回ほど繰り返す

 

ご意見、ご質問等ございましたら

0luOlu サッカーコーチ

神奈川リハビリテーション病院 PT 

大塚 匠

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突然ですが! スウェーデンに留学中の菊地コーチから現地レポートです!! (その1)

去年の夏からスウェーデンに留学している菊地先生から、現在勉強していることに関して色々と教えてもらうことになりました。少し難しいかもしれませんが、遠い寒い国で頑張っている菊地先生。ぜひ読んでみてください。感想などもありましたら、本人の励みにもなります。

来月号でも違うテーマで報告していただく予定ですので楽しみにしていてくださいね。

現在スウェーデンのウメオという北極圏まであと少しのところにいる菊地コーチです!お久しぶりです!

こちらのウメオ大学では、博士課程の研究の基礎知識の獲得と、スウェーデンの福祉を学ぶことを目的に、主に心理学と社会学(福祉分野)の授業を履修しています。授業で知ったことや特別支援学校の見学を通して、情報収集を行ったので現在までに分かったことを皆さんにご報告させていただきたいと思います。

 

今回のテーマは、『スウェーデンの障がい児関連政策』です。

スウェーデンというと、「福祉国家」という言葉を聞いたことあるかと思います。これは、「高負担高福祉」を意味しています。これは、スウェーデンの税金は日本と比べてとても高いですが、老若男女すべての人に対しての公共サービスを国が負担してくれるということです。例として、子ども関連の政策の成果をいくつか挙げると、

・教育費無料(小中高はもちろん、大学は年齢問わず)

・医療費20歳未満85歳以上無料

・子ども手当支給(両親揃えば月額¥14000/子ども1人)

・育児休暇が父母それぞれに240日与えられる

などなど。こういう政策からも分かるように、スウェーデンにとって子どもを大事にする精神が見て取れました。

そして、スウェーデンを含めた北欧の教育といえば、「ノーマライゼーション理念」や「インクルーシブ教育」を聞いたことがあるかと思います。知らない方のためにも、それぞれの定義を説明したいと思います。

ノーマライゼーション理念というのは、「社会で日々を過ごす一人の人間として、障がい者の生活状態が、障がいのない人の生活状態と同じであることは、障がい者の権利である。障がい者は、可能な限り同じ条件のもとに置かれるべきであり、そのような状況を実現するための生活条件の改善が必要である。」と、1951年にデンマークのニルス・エリク・バンク-ミケルセンが提唱した考え方になります。個人的には少し違和感がある考え方ですが、1950年代以前は障がい者を「分離」「隔離」「特殊化」する思想が主流となっていたことを考えると、妥当な考え方のように思います。

UNESCOのサマランカ宣言(1994年)において、インクルーシブ教育というのは、「特別な教育的ニーズのある児童・青年を、大多数の児童を対象とした教育制度に受け入れることを意味している。(中略)インクルーシブな学校は、生徒の学習スタイルと学習速度の違いに配慮し、適切なカリキュラム、組織体制、教育戦略、リソースの活用及び地域社会との連携により、すべての人に質の高い教育を保証しながら、生徒の多様なニーズを認め、これに対応しなければならない。」と記述されています。

スウェーデンのインクルーシブ教育は、「場の統合」を1970年代から始めていました。「場の統合」というのは、障がいのある児童のための特別支援学校を“通常”の学校の敷地内に設置することを意味しています。2010年に学校法(SFS)という法律が改正され、知的能力(IQが70以上)に問題がないと判定された児童は通常級で授業を受けなければならないということになりました。これに対して世論が割れた点があったそうです。というのも、それまでは知的能力に問題のない子どもでも希望があれば特別支援学校で教育を受けることができ、いわゆるボーダーラインの子どもが特別支援学校へ入学することもありました。しかし、この改正により、そういった子どもたちは強制的に普通級に移動させられてしまい、環境の変化から不登校や登校拒否をする子どもが急増してしまうという事態が起きてしまったのです。現状では、こういった児童や発達に遅れの見られる子でも、普通級に通っている場合は、アシスタントティーチャーが個別で指導を行ったり、そういった子どもを集めて集団指導を行っているようです。そして、行動面に問題のある子どもの対応もアシスタントティーチャーが別の教室で授業の間に補習を行うなどしているようです。教員が1クラスに2人いることが原則になっている国ならではの合理的配慮がなされています。

上記の不登校や登校拒否児の増加などを知るまでは、スウェーデンのインクルーシブは完璧だと思っていましたが、実際はいまだに本当の意味でのインクルーシブとは、どういったものなのかを追求している途中なのかもしれないとも感じました。

 

そして、スウェーデンの教育や医療の関係性の中では、障がいのある児童に関する情報は、日本に比べると簡単に得やすいように思います。日本の場合、母親がキーパーソンとなって学校における教育面、病院やリハビリなどの医療面、発達相談などの福祉面それぞれをつないでいることがよく見受けられます。地域によっては、自治体の福祉課の方々がそれぞれの分野をつなげてくれているケースもありますが、日本全体の中でいえば少数ではないかと思います。これが、スウェーデンの場合は、学校教育や保育園やプレスクール、学童などはMunicipalities(自治体レベル)が統括し、生後からの情報を一括で管理しています。また、医療面に関しては、County(県レベル)が管理しています。そのため、自治体レベルだけでなく、医療面の介入を要する子どもの場合は、県レベルへ相談することが一般となっています。実際には、それぞれの自治体にハビリテーション施設を置いているため、各自治体が相談すべき医療の窓口は明確になっているようです。そのため、対象の子どもの関係者が必要な情報を得ることが比較的容易となっていて、各職種の連携も円滑になっており、必然的に情報が交換されているようです。そして、私自身も有している資格の、理学療法士のような医療専門職は治療というよりも評価・アセスメントが中心に活動を行っています。生活面で困っていることに対して物的資源を使うなどして、在宅での生活に適応しやすい環境を整えるような働き方をしているようです。

しかし、スウェーデンでは、日本と違い病院で治療を受けるというのは余程の時でしか行かないというのが一般常識になっています。というのも、前述したように国が医療費を基本的に賄っているため、できるだけ必要な人に医療を充てたいという意向であるというのが、一番の理由のようです。そのため、病院を予約してもだいぶ先の予約になってしまったり、処方箋に記載されている薬の処方数も日本に比べると少ないようです。

このような背景もあるためか、重症心身障がい児の子どもたちは、医療的ケアが必要であっても基本的には病院ではなく、在宅または施設での生活をすることが国の方針となっています。障害に対するポリシーなどでも家族と生活する時間を尊重したり、スウェーデンの風習的に高齢者は家庭で介護を受けながら生活することが一般的になっていることも相まっているのではないかと思います。

このように、医療面においても日本とは違った面が多くあります。自分自身が理学療法士としてスウェーデンで働いている姿を想像してみましたが、これまで日本で私が行ってきた理学療法とはまた違う側面が見え、具体的にどのような違いがあるのか興味が湧きます。今後、理学療法士の方に同行させていただける機会があるので、そこでまた情報を収集したいと思います。

「スウェーデンの障がい児関連政策」をいくつか紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。障がいのある子どもは、教育、福祉、医療と言った様々な分野が連携する中で生活することになりますが、その流れを円滑にしつつ、公的サービスを充足するといった意味では、スウェーデンは一つのモデルになっていると思います。日本でも重度障がい者が参議院選挙で当選するなど、少しずつ「障がい」の分野が拡大を見せている中で、今後の社会や国家はどのような方向に舵を切るのでしょうか。

 

首都大学東京大学院・博士課程所属 菊地謙

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OluOlu通信
011
​2020年3月発行

大変な3月になりました。引き続き体調管理をしっかりしましょう

​毎日、笑顔を忘れずに!!

『みんな違って みんな良い!
 色々な特徴を持つ子の子育てが楽しくなるちょっとしたコツ、おはなしします』

みくりキッズクリニック副院長 岡田先生による講演会
 
初武術教室 詠春拳 

【神経発達症って?】

 

去る2月8日、小児科の先生をお招きして講演会をひらきました。世田谷区のみくりキッズくりにっくさんより、副院長先生でいらっしゃる岡田先生をお迎えし、『みんな違ってみんな良い! 色々な特徴を持つ子の子育てが楽しくなるちょっとしたコツ、おはなしします』という内容でお話ししていただきました。

この内容で専門家のお話を聞きたいと思った理由は、母として息子と毎日を過ごす中で、そしてサッカー教室で子ども達と接する中で、大人の言葉や態度、ちょっとした対応が、子どものやる気に大きく影響を与えるなと思ったからです。全ての子どもの子育てに当てはまることでしょうが、機嫌取りやおだてではなく、ましてや、怖く言って従わせるのではなく、子ども自らがチャレンジをしようと思えるような子育てって、本当に難しいですね。そして、チャレンジする姿を見たい反面、わが子が失敗したときに傷つく姿を見るのは親としても悲しくなりますしね。

 

講演会では、実例を交えて、発達に特徴がある子の具体的な行動から繊細な感情まで、詳しく解説していただきました。お話の中で印象に残ったことをご紹介させていただきます。

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皆さんは、神経発達症という言葉をご存知ですか? 私は恥ずかしながら、講演会で初めて聞きました。それまで発達障害という言葉で言われてきた症状のことを、今では神経発達症と呼ぶそうです。岡田先生が仰るには、学会などでは、使われる資料などで「発達障害」と書かれていたら「すみません、古い資料で…」というようなお詫びが入る時もあるほど、最近では発達障害という言葉に代わって神経発達症という言葉が広く浸透してきているようです。

とかく、発達障害という言葉はネガティブに捉えられ、使われる事が多いですよね。「あの人って発達障害っぽいよね~」という言葉は、“悪い意味で”人と違う、というニュアンスを含んで使われてしまっているように思います。しかし神経発達症という言葉は、あくまでもそのような症状をさす言葉として、ニュートラルな捉え方がされているように感じました。

講演の中で、もう一つ、強く印象に残ったのは、岡田先生のこの言葉、「子どもが神経発達症であっても、それを〝治そう″とはしないでください」ということです。

保護者や近しい大人が特性をまず理解する。そしてサポートしていくうちに子ども自らが特性を理解し調整できるようになっていく。その積み重ねで、その子の持つ感覚が素晴らしい才能へと開花することになります。

岡田先生がその実例として示してくださった女の子のお話は、聞いていて鳥肌が立ってしまうくらいの衝撃と感動を受けました。

 

その子は、神経発達症特有の、繊細な感覚を持っていた子。その感覚のため、彼女は歌やアートに関して素敵な感性を持つと同時に、子どもの頃から集団生活などにおいて生きづらさを感じていました。時に立ち止まったりしながらも、近しい大人の適切で前向きなサポートを受けるうちに、自分自身の強みと弱みを客観的に理解できるようになり、将来のプランを自分で立てられるまでに成長したそうです。現在は医療関係のお仕事に就き多くの人を助けている、というお話でした。

なんだか、わが子の将来への明るい光を見た気がしました。

保護者や周囲の大人の接し方って、本当に子どもにとってはとてつもなく大きいんだと改めて認識しました。本人と大人が一緒に積み上げるスモールステップが、子どもが自分の力で将来を切り開くための大切な原動力になることを実感した講演会でした。

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子どもたちも思い思いに遊びながら待っててくれました

今回の講演会では、参加者から岡田先生に色々な質問が飛び出しました。保護者の皆さんは、日常生活で感じる疑問、例えば兄弟児に関する悩み、夫婦間での子どもの特性の理解度の違い、食事中の姿勢についてなどが質問されていました。

コーチからは理学療法の訓練中にどうやったら子供のやる気を引き出せるのか、サッカーのコーチをしている中で感じる疑問などを先生に質問していました。先生の答えの一つとして、指導者として一方的に意見をするよりは、”レッスン中にこうやると成功しました、ご家庭でもやってみるとよいかもしれないですね”、のように親御さんに伝えると共感を得やすい、など先生ならではのアプローチ法を教えてくださいました。この話し方は、親から子へ話をする時のアプローチ法としても良いと感じました。

保護者のみなさん、小児科の先生、理学療法士の先生と、それぞれ違う立場で意見交換が出来て、勉強になりました。


 

今回の講演会、保護者として、またサッカー教室を開催する大人としてとても勉強になりました。今後も定期的に、講演会を開催していきたいと思っています。会員の皆さんで、是非これについて聞いてみたい!という内容がありましたら、是非教えてください。

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「綺麗な格好をしたとても美しい女性が、エレベーターに乗り込みます。すると、二人の柄の悪そうな大柄の男二人が一緒に乗り込みました。

中からはドタドタと音がし、大声が聞こえてきます。しばらくすると静かになり、エレベーターが停止。さっそうと出てくるのは、化粧を直している先ほどの美しい女性。そして、床には屈強そうに見えた男二人が横たわっている。」

こんな映画のワンシーン、香港映画で観たことありませんか?

武術には色々な流派があるそうです。この女性が使ったのもおそらくその流派の一つ。もしかしたら、詠春拳だったかもしれません。実は詠春拳という武術は、「詠春」という尼が作り出した護身術。接近戦を得意として、人の急所をしっかりと狙う武術です。

新空手などは、お互いに闘う精神を持ち合わせた同士が戦う武術。競技として確立しているため、急所を狙うことはしません。それは反則となります。

なので護身術として「急所を狙う」というのは、逆に私にとっては新しい視点でした。そして、これがまた楽しかった!

すでにコロナウィルスの脅威から、いくつかのイベントがキャンセルされ始めた時期でしたが、お世話になった施設の場所が大きいこと、参加人数がもともと少ないことから2月22日に実行しました。さて、当日の参加人数は二人。講師の石坂さんからは細かくご指導をいただくことができました。

まず、武術で大切なことは、挨拶。右手をパー、左手をグーにして軽く左手を包むように両手を合わせて頭を下げます。

​「よろしくお願いします!」

​礼儀は何においても大切ですね。挨拶ができる人は、やっぱりかっこいい。

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一番最初に習ったことは、基本のポーズです。

利き手を後ろ手に持っていって、反対の手を体の中心に合わせて前へ。こうすることで、体の中心を守れます。そして、相手が正面から殴ってきたら、体の中心に合わせている手にあたるので、体に直接あたることが避けられる、という論理です。

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基本の構えができたら、次は早速相手が攻撃してきた場合にどうやって反応するか。

説明は簡単。自分の右からきたら右手を右へ、左からきたら、左手を左へ。右足の方への攻撃は右足を上げる。正面からきたら、どちらかの脚を膝を内側へ入れながらあげる。

​あとは、この動きを何度もやって体に覚えさせると、相手の攻撃に合わせて四肢を動かすことができるようになります。

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防御ができたら、次は攻撃です。

これは、自分でタイミングを見計らうのが一番難しいと思いました。

​まず、防御の姿勢を保ちます。どこかのスキで正面からきたパンチ(手)を内側へ払います。すると、相手の体が少し斜めになって、相手の首が近い位置に来るチャンスがあります。そこで自分の体を首に対して正面へとずらし、首(急所)を目掛けて連続して拳を回転させます。(動画の1分15程度の部分で、「必殺技」が登場します)

これがなかなか難しい。スキをつく、なんて、どこがスキなのかも最初はわかりません。でも、これも練習を何度も積み重ねることで反射をすることができるようになります。

基本的な動きを習った後は、ひたすらその反復です。やっているうちに、みんなそれぞれの動きがシャープになっていったのを感じました。

動きについて説明を聞く。その動きをとりあえずやってみる。失敗するけど、また何度かやってみる。わからなかったら聞いてみる。

さらに、動きを一連の流れで追ってみる。それをひたすら脳と体に覚えさせる。

忘れたら、また最初から繰り返す。​この繰り返しです。

​最後もやっぱり挨拶で終了。

​​ありがとうございました!!!!」

​​終わった後のみんなの顔がとっても良かった!!少し自信がついたような顔で、普段使わない筋肉を使った疲労感とともに心地良さそうでした。またぜひみんなで「かっこよく!」体を動かしましょうね!☀️

 ​

今回詠春拳を教えてくださった石坂先生。実はつい最近本を出版されました!

ご興味のある方はぜひみてみてください。石坂先生の独特な世界観が垣間見れますよ。​

   ​石坂 聡 『謎の禅僧、ダオシェンの教え』

スウェーデン留学中の菊地コーチ 第二弾! 

『障がいについて-インクルーシブ教育と特別支援学校の位置づけ-』

前回に引き続き、スウェーデンの障がいのある子どもに関連する情報を提供していきたいと思います。

今回は、『障がいについて-インクルーシブ教育と特別支援学校の位置づけ-』というテーマになります。

まず、スウェーデンにおける「障がい」に対する価値観を見ていこうと思います。こちらで履修していた福祉や障がいに関する授業では、必ずといってもいいほど見た図がこちらになります。障がいのモデルを記載したものになるのですが、端的に表すと、左の白枠の「The Individual/Medical model(医学モデル)」では、障がいは個人の能力・機能によって起こるもの。右の薄ピンク枠の「The Social model(社会モデル)」では、障がいは社会の障壁によって作り出されるもの。そして、中央の濃ピンク枠の「The Nordic relative model/Interactionist model(北欧モデル)」では、障がいは個人と環境の相互作用で生まれるもの、と考えられています。

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スウェーデンは中央の北欧モデルに入るのですが、この考え方は福祉サービスの中でも顕著になっていて、障がい者の生活を支えるアシスタントを十分に活用することができたり、ソーシャルワーカーもクライアントのニーズを聴取しながらアシスタントの配置や手配を行うっていきます。つまり、環境の中で不自由なことがあればそこに人的資源や物的資源を用いて、不自由のない環境を整備しています。このように、前回の話で記述した、ノーマライゼーション理念が徹底されています。様々な関係者が対象者の生活面を援助していくことになりますが、それぞれの福祉サービスの方針は最終的にクライアント自身の「意思決定」を中心に進めていくことになります。

個人的に、日本の障がいの価値観はどちらかというと、医学モデルに寄っているように感じます。社会側からのアプローチが足りないことで、自治体が福祉サービスを提供していてもあまり知られないこともあるように思います。そのため、家族の負担が大きくなっていく一方で、障がい者とその家族の中で完結してしまっていることが少なくないのではないでしょうか。かといって、スウェーデンの福祉政策はあくまでも福祉サービスは障がい者の「権利」を尊重したものというスタンスであって、「至れり尽くせり何でもします!」という意味ではありません。そのため、障がい者やその家族もそれぞれ自身の意思を主張して、生活をしているようです。

 

そして、教育の中の障がいに対する「合理的配慮」のあり方も日本とは違うと感じました。スウェーデンの学校のシステムは以下の写真のようになっており、赤い丸をつけた学校を見学してきました。

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その学校は、Upper secondary school(高等教育)の中のIndividuals with learning disabilities(学習障がい児)という区分のもので、日本で言うところの特別支援学校のような形態をしています。スウェーデンの子どもたちはインクルーシブ教育に基づいて基本的に普通級に在籍することになっているため、この学校に通うためには特別な「権利」が必要となります。普通級の授業についていくには、知的に難しさのある子や、身体に難しさのある子がいる場合、医学的に、心理学的に、教育的に、福祉的にその子のことを評価したうえで、特別支援学校に行く「権利」を与えるといった形です。この形態をとっているのには、就学してからのその後のことが意識されているようです。

これはあくまでも一つの見方ですが、スウェーデンの普通学校と特別支援学校は、「将来的に税金を納めることができる、またはできない」ということを基準としているようにも思えます。人口も少ないスウェーデンでは、高い税金を収入としているため、その税金がなければ公的サービスを配分することができません。そのため、税金を納めることができない障がい者や高齢者のためのサービスを円滑にするためにも、できるだけ多くの人に税金を納める担い手になってもらう必要があります。特別支援学校への入学の「権利」というのは、そういった意味では大きな意味を持ちます。この解釈はとても合理的な考えではありますが、インクルーシブ教育によって、いわゆる健常と言われる人たちの「障がい」に対する差別化の減退や、福祉分野への興味・関心を持つ機会にもなります。また、普通学校に在籍していた子どもは将来的に就職する機会が必要となるため、一般企業の障がい者雇用の拡大にも繋がります。

そのため、特別支援学校と言っても一概に"知的"や"肢体不自由"のクラスと分かれているわけではなく、学年によって割合も変わってくるようです。小中学校は少し複雑になっていて、聾学校がSpecial schoolとして別で残っていたり、サーミ族というスウェーデンの北部の遊牧原住民の言語を使う子どものためのThe Sami schoolというものがあります。そして、それらの学校も別々に設置するのではなく、同じ敷地内に在籍する形態をしているようです。前回述べた、スウェーデンのインクルーシブ教育の基本となった「場の統合」を意識しているようです。見学に行った特別支援高等学校は、現在移転計画の途中ということもあり、普通級の小学校高学年と中学生がすでに移動してしまい、普通級の低学年の小学生と同じ敷地内に在籍していました。食堂が同じ場所に設置されていて、入学したての小学生たちは車椅子に乗った高校生を見て、最初は多少驚いているようですが、「なんで、椅子に座ったままなの?」と先生に聞いたりしているそうです。幼い頃から、障がいを抱えた人を「知る」ことができる環境にあるのは決して悪いことではないと感じました。

 

最後に、特別支援学校内の様子を少しお伝えしたいと思います。スウェーデンにおける障がいとは、障がいは個人と環境の相互作用で生まれるもの、できないことがあれば人的資源や物的資源を使い、その相互作用を改善することが基本になっています。例えば、特別支援学校の全ての教室にリフト移乗ができるようになっていました。

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さらに、車椅子を押すのも電動で操作できるようになっています。

これらの福祉機器の購入には、自治体からお金を出してもらい、自費での購入はほぼしないようです。働く人たちや介助する人たちも当然暮らしやすく働きやすくするという考え方が主流となっていて、積極的に導入しているとのことでした。こういった福祉機器を日本で導入するには色々批判が出て、すぐ頓挫してしまいそうな気がします。

介助はたしかに人と人が触れ合って安心感を必要とするものかもしれません。しかし、それ以上に自分たちのことも考えた上でどんな方法がベストなのかを介助する側も介助される側もお互いに考えていく姿勢がスウェーデンにはありました。これも、幼いころからお互いを"知る"努力をしているからこその価値観ではないかと思います。

 

今回は、スウェーデンの障がいの価値観から、特別支援学校の在り方をまとめてみました。日本では、特別支援学校や支援級、通級、普通級というように、子どもの能力に合わせた教育を提供できるような形態がとられています。国が違えば教育の方針も違いますが、世界的にはインクルーシブ教育が先進国をはじめ、多くの国で採用されています。日本の政府もその方針を打ち出してはいる様ですが、現在の教育の形態の中で行うインクルーシブ教育には限界があるように思えますし、そもそものインクルーシブ教育の解釈の仕方にも疑問があります。社会の中での障がい者の立場をどのようにして確立していくのかは、少子高齢化が進む日本にとっても重要な課題ではないでしょうか。

 

今後は、理学療法士の方の仕事に帯同させていただく機会があります。授業で習った福祉面、見学をさせていただいた教育面から見たスウェーデンの障がい児を取り巻く姿とは、また違った医療面からの姿を掘り下げていきたいと思います。

また、保育園の見学なども予定してるため、未就学児の教育内容についても情報が得られると思いますので、引き続き発信していきたいと思います。

 

首都大学東京大学院・博士課程所属 菊地謙

おうち時間を楽しく過ごして、免疫力をあげましょう!

 

平日は学童のお弁当が必要になり、また週末は子ども達とお家で過ごす時間が増えて、勉強も見てあげなくてはならなくなって…、保護者にとってはいつも以上に慌ただしく、息抜きがしづらい今年の春。

気がめいりそうなこの時期、OluOluではこんな提案をします!

 

簡単な体操

朝の1分、ニュースや天気予報を見ながら軽く腹筋やストレッチをするだけでも、結構スッキリする!

​ちなみに、ロッテの球団公式YouTubeチャンネルに、ドラフト1位の佐々木選手が教えてくれる簡単トレーニングが10日から5日間毎日アップされるようです。ぜひ観てみて!!(日刊スポーツ3月10日の記事

とにかく、洗い物を少なく!

学童のお弁当箱が洗い物に加わってしまうから、それ以外はできるだけ減らす! もし朝ごはんがパンなら、紙ナプキンに乗せたって良い! 帰宅して洗い物がたまってて気分が滅入るなら、朝は洗い物をなら、出さないのも手。夕ご飯もワンプレートなら気が楽ですね。

何にでも使える万能カット野菜

玉ねぎ、ピーマン、トマトをさいの目にカット。塩コショウを振って冷凍庫に入れておけば、オムライスの具、ナポリタンの具、パンに乗せてサンドイッチに、スープの具にもなってかなり便利。

 

植物

ベランダや室内の窓辺で、ちょっとした植物を育てるのもちょっとしたストレス

解消になりますね。子供に水やりを任せてもよし。ベビーリーフや豆苗など、

食べられるものなら収穫も楽しい!

 

自分も子供もいつもよりちょっと甘やしちゃう

子どものゲーム時間が1時間オーバーしても、夕飯のおかずが3日連続でカレーでも、今は良し!と腹をくくると、ちょっと気が楽になる!

 

ちょっといつもの春と違う今年の春。いい具合で手を抜き、気を抜き、心身共に健康で笑顔いっぱいの新学期を迎える準備をしましょうね!

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OluOlu通信
012
​2020年5月発行

もう少し自粛生活が続きそうです。

でも、もう少し!

みんなで繋がりながら頑張りましょう

【元気メッセージ】配信継続中!

COVID-19の影響でサッカーの練習ができなくなり、OluOluのみなさまにお会いできないのがとても寂しいです。月に2回だけれども、みんなで集まって、キャーキャー言いながらボールを追いかけられるのが、とても自然で当たり前な活動だったのはついこの前。今のCOVID-19の状況下では、そんな日常が幸せなことなんだなと感慨深く思える今日この頃です。

早くサッカーの練習が思い切りできる日々が来ることをただ願います。

そんな中、OluOluではLINE公式アカウントにて、会員の皆さんにむけて【元気メッセージ】を3月26日から毎日発信しています。

シンプルな写真のメッセージに始まり、YouTubeから引っ張ってきた運動の仕方をシェア、そして会員さんからの日常の一コマやエクササイズの動画。みなさんのご協力もあり、十人十色なメッセージをお届けすることができています。

2ヶ月ほど続けてきてやっぱり行き着く思いは、日常の中にどれだけ幸せが常に存在しているのか、ということでした。今まで、散歩の途中にどこにどんな花が咲いているのか、なんてあまり気にもしなかったし、もし気づいたとしても写真を撮ろうなんてほとんど思ったことはありません。見つけた時の気持ちをみなさんとシェアしたいな、と思えたからこそスマートフォンを取り出して写真を撮ったのだと思います。

そしてその行動から私は幼かった頃のことを思い出して、すこし温かい気持ちになれました。

自粛生活でみんなに会えないからこそ、コーチ達がエクササイズを考えて動画を作ってみんなと繋がろうとする。すると、会員のみなさんもそれに答えて動画や写真を送ってくださる。

サッカーの練習が再開されるまでという期間限定ですが、コーチと会員に皆さんがコーチの動画をもとにしたやりとりをすることも可能となりました。コーチ達のフレキシブルな考え方と優しさに感謝です。

こんなにもコミュニケーションの仕方が多種多様なのものなのかとびっくりせざるを得ません。今後もきっと私たちが考えたこともない様々な形態のコミュニケーションツールを目にすることになると思います。

【元気メッセージ】は今までの日常が少しづつ戻ってくる頃まで続けたいと思っています。サッカー教室は、政府の方針基づいて判断し、みなさまの安全を第一に考慮して、スケジュールを決めていくことになります。

​それまでは【元気メッセージ】で笑顔でお会いしましょう!

OluOluエクササイズ!公開🎉

これまで【元気メッセージ】で会員さんへ配信した、コーチ達お手製のOluOluエクササイズの動画。今回は特別に、この「OluOlu通信」でも公開します!ぜひ何度でもチャレンジしてみてください!

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