OluOlu通信
011号
2020年3月発行
大変な3月になりました。引き続き体調管理をしっかりしましょう
毎日、笑顔を忘れずに!!
『みんな違って みんな良い!
色々な特徴を持つ子の子育てが楽しくなるちょっとしたコツ、おはなしします』
みくりキッズクリニック副院長 岡田先生
による講演会
初武術教室 詠春拳
【神経発達症って?】
去る2月8日、小児科の先生をお招きして講演会をひらきました。世田谷区のみくりキッズくりにっくさんより、副院長先生でいらっしゃる岡田先生をお迎えし、「みんな違ってみんな良い! 色々な特徴を持つ子の子育てが楽しくなるちょっとしたコツ、おはなしします」という内容でお話ししていただきました。
この内容で専門家のお話を聞きたいと思った理由は、母として息子と毎日を過ごす中で、そしてサッカー教室で子ども達と接する中で、大人の言葉や態度、ちょっとした対応が、子どものやる気に大きく影響を与えるなと思ったからです。全ての子どもの子育てに当てはまることでしょうが、機嫌取りやおだてではなく、ましてや、怖く言って従わせるのではなく、子ども自らがチャレンジをしようと思えるような子育てって、本当に難しいですね。そして、チャレンジする姿を見たい反面、わが子が失敗したときに傷つく姿を見るのは親としても悲しくなりますしね。
講演会では、実例を交えて、発達に特徴がある子の具体的な行動から繊細な感情まで、詳しく解説していただきました。お話の中で印象に残ったことをご紹介させていただきます。
皆さんは、神経発達症という言葉をご存知ですか? 私は恥ずかしながら、講演会で初めて聞きました。それまで発達障害という言葉で言われてきた症状のことを、今では神経発達症と呼ぶそうです。岡田先生が仰るには、学会などでは、使われる資料などで「発達障害」と書かれていたら「すみません、古い資料で…」というようなお詫びが入る時もあるほど、最近では発達障害という言葉に代わって神経発達症という言葉が広く浸透してきているようです。
とかく、発達障害という言葉はネガティブに捉えられ、使われる事が多いですよね。「あの人って発達障害っぽいよね~」という言葉は、“悪い意味で”人と違う、というニュアンスを含んで使われてしまっているように思います。しかし神経発達症という言葉は、あくまでもそのような症状をさす言葉として、ニュートラルな捉え方がされているように感じました。
講演の中で、もう一つ、強く印象に残ったのは、岡田先生のこの言葉、「子どもが神経発達症であっても、それを〝治そう″とはしないでください」ということです。
保護者や近しい大人が特性をまず理解する。そしてサポートしていくうちに子ども自らが特性を理解し調整できるようになっていく。その積み重ねで、その子の持つ感覚が素晴らしい才能へと開花することになります。
岡田先生がその実例として示してくださった女の子のお話は、聞いていて鳥肌が立ってしまうくらいの衝撃と感動を受けました。
その子は、神経発達症特有の、繊細な感覚を持っていた子。その感覚のため、彼女は歌やアートに関して素敵な感性を持つと同時に、子どもの頃から集団生活などにおいて生きづらさを感じていました。時に立ち止まったりしながらも、近しい大人の適切で前向きなサポートを受けるうちに、自分自身の強みと弱みを客観的に理解できるようになり、将来のプランを自分で立てられるまでに成長したそうです。現在は医療関係のお仕事に就き多くの人を助けている、というお話でした。
なんだか、わが子の将来への明るい光を見た気がしました。
保護者や周囲の大人の接し方って、本当に子どもにとってはとてつもなく大きいんだと改めて認識しました。本人と大人が一緒に積み上げるスモールステップが、子どもが自分の力で将来を切り開くための大切な原動力になることを実感した講演会でした。
子どもたちも思い思いに遊びながら待っててくれました
今回の講演会では、参加者から岡田先生に色々な質問が飛び出しました。保護者の皆さんは、日常生活で感じる疑問、例えば兄弟児に関する悩み、夫婦間での子どもの特性の理解度の違い、食事中の姿勢についてなどが質問されていました。
コーチからは理学療法の訓練中にどうやったら子供のやる気を引き出せるのか、サッカーのコーチをしている中で感じる疑問などを先生に質問していました。先生の答えの一つとして、指導者として一方的に意見をするよりは、”レッスン中にこうやると成功しました、ご家庭でもやってみるとよいかもしれないですね”、のように親御さんに伝えると共感を得やすい、など先生ならではのアプローチ法を教えてくださいました。この話し方は、親から子へ話をする時のアプローチ法としても良いと感じました。
保護者のみなさん、小児科の先生、理学療法士の先生と、それぞれ違う立場で意見交換が出来て、勉強になりました。
今回の講演会、保護者として、またサッカー教室を開催する大人としてとても勉強になりました。今後も定期的に、講演会を開催していきたいと思っています。会員の皆さんで、是非これについて聞いてみたい!という内容がありましたら、是非教えてください。
(文責: 恩田)
「綺麗な格好をしたとても美しい女性が、エレベーターに乗り込みます。すると、二人の柄の悪そうな大柄の男二人が一緒に乗り込みました。
中からはドタドタと音がし、大声が聞こえてきます。しばらくすると静かになり、エレベーターが停止。さっそうと出てくるのは、化粧を直している先ほどの美しい女性。そして、床には屈強そうに見えた男二人が横たわっている。」
こんな映画のワンシーン、香港映画で観たことありませんか?
武術には色々な流派があるそうです。この女性が使ったのもおそらくその流派の一つ。もしかしたら、詠春拳だったかもしれません。実は詠春拳という武術は、「詠春」という尼さんが作り出した護身術。接近戦を得意として、人の急所をしっかりと狙う武術です。
新空手などは、お互いに闘う精神を持ち合わせた同士が戦う武術。競技として確立しているため、急所を狙うことはしません。それは反則となります。
なので護身術として「急所を狙う」というのは、逆に私にとっては新しい視点でした。そして、これがまた楽しかった!
すでにコロナウィルスの脅威から、いくつかのイベントがキャンセルされ始めた時期でしたが、お世話になった施設の場所が大きいこと、参加人数がもともと少ないことから2月22日に実行しました。さて、当日の参加人数は二人。講師の石坂さんからは細かくご指導をいただくことができました。
まず、武術で大切なことは、挨拶。右手をパー、左手をグーにして軽く左手を包むように両手を合わせて頭を下げます。
「よろしくお願いします!」
礼儀は何においても大切ですね。挨拶ができる人は、やっぱりかっこいい。
一番最初に習ったことは、基本のポーズです。
利き手を後ろ手に持っていって、反対の手を体の中心に合わせて前へ。こうすることで、体の中心を守れます。そして、相手が正面から殴ってきたら、体の中心に合わせている手にあたるので、体に直接あたることが避けられる、という論理です。
基本の構えができたら、次は早速相手が攻撃してきた場合にどうやって反応するか。
説明は簡単。自分の右からきたら右手を右へ、左からきたら、左手を左へ。右足の方への攻撃は右足を上げる。正面からきたら、どちらかの脚を膝を内側へ入れながらあげる。
あとは、この動きを何度もやって体に覚えさせると、相手の攻撃に合わせて四肢を動かすことができるようになります。
防御ができたら、次は攻撃です。
これは、自分でタイミングを見計らうのが一番難しいと思いました。
まず、防御の姿勢を保ちます。どこかのスキで正面からきたパンチ(手)を内側へ払います。すると、相手の体が少し斜めになって、相手の首が近い位置に来るチャンスがあります。そこで自分の体を首に対して正面へとずらし、首(急所)を目掛けて連続して拳を回転させます。(動画の1分15程度の部分で、「必殺技」が登場します)
これがなかなか難しい。スキをつく、なんて、どこがスキなのかも最初はわかりません。でも、これも練習を何度も積み重ねることで反射をすることができるようになります。
基本的な動きを習った後は、ひたすらその反復です。やっているうちに、みんなそれぞれの動きがシャープになっていったのを感じました。
動きについて説明を聞く。その動きをとりあえずやってみる。失敗するけど、また何度かやってみる。わからなかったら聞いてみる。
さらに、動きを一連の流れで追ってみる。それをひたすら脳と体に覚えさせる。
忘れたら、また最初から繰り返す。
この繰り返しです。
最後もやっぱり挨拶で終了。
「ありがとうございました!!!!」
終わった後のみんなの顔がとっても良かった!!少し自信がついたような顔で、普段使わない筋肉を使った疲労感とともに心地良さそうでした。またぜひみんなで「かっこよく!」体を動かしましょうね!☀️
(文責: ウォーク)
ちょこっと宣伝
今回詠春拳を教えてくださった石坂さん。実はつい最近本を出版されました!
ご興味のある方はぜひみてみてください。石坂さんの独特な世界観が垣間見れますよ。
スウェーデン留学中の菊地コーチ 第二弾!
『障がいについて-インクルーシブ教育と特別支援学校の位置づけ-』
前回に引き続き、スウェーデンの障がいのある子どもに関連する情報を提供していきたいと思います。
今回は、『障がいについて-インクルーシブ教育と特別支援学校の位置づけ-』というテーマになります。
まず、スウェーデンにおける「障がい」に対する価値観を見ていこうと思います。こちらで履修していた福祉や障がいに関する授業では、必ずといってもいいほど見た図がこちらになります。障がいのモデルを記載したものになるのですが、端的に表すと、左の白枠の「The Individual/Medical model(医学モデル)」では、障がいは個人の能力・機能によって起こるもの。右の薄ピンク枠の「The Social model(社会モデル)」では、障がいは社会の障壁によって作り出されるもの。そして、中央の濃ピンク枠の「The Nordic relative model/Interactionist model(北欧モデル)」では、障がいは個人と環境の相互作用で生まれるもの、と考えられています。
スウェーデンは中央の北欧モデルに入るのですが、この考え方は福祉サービスの中でも顕著になっていて、障がい者の生活を支えるアシスタントを十分に活用することができたり、ソーシャルワーカーもクライアントのニーズを聴取しながらアシスタントの配置や手配を行うっていきます。つまり、環境の中で不自由なことがあればそこに人的資源や物的資源を用いて、不自由のない環境を整備しています。このように、前回の話で記述した、ノーマライゼーション理念が徹底されています。様々な関係者が対象者の生活面を援助していくことになりますが、それぞれの福祉サービスの方針は最終的にクライアント自身の「意思決定」を中心に進めていくことになります。
個人的に、日本の障がいの価値観はどちらかというと、医学モデルに寄っているように感じます。社会側からのアプローチが足りないことで、自治体が福祉サービスを提供していてもあまり知られないこともあるように思います。そのため、家族の負担が大きくなっていく一方で、障がい者とその家族の中で完結してしまっていることが少なくないのではないでしょうか。かといって、スウェーデンの福祉政策はあくまでも福祉サービスは障がい者の「権利」を尊重したものというスタンスであって、「至れり尽くせり何でもします!」という意味ではありません。そのため、障がい者やその家族もそれぞれ自身の意思を主張して、生活をしているようです。
そして、教育の中の障がいに対する「合理的配慮」のあり方も日本とは違うと感じました。スウェーデンの学校のシステムは以下の写真のようになっており、赤い丸をつけた学校を見学してきました。
その学校は、Upper secondary school(高等教育)の中のIndividuals with learning disabilities(学習障がい児)という区分のもので、日本で言うところの特別支援学校のような形態をしています。スウェーデンの子どもたちはインクルーシブ教育に基づいて基本的に普通級に在籍することになっているため、この学校に通うためには特別な「権利」が必要となります。普通級の授業についていくには、知的に難しさのある子や、身体に難しさのある子がいる場合、医学的に、心理学的に、教育的に、福祉的にその子のことを評価したうえで、特別支援学校に行く「権利」を与えるといった形です。この形態をとっているのには、就学してからのその後のことが意識されているようです。
これはあくまでも一つの見方ですが、スウェーデンの普通学校と特別支援学校は、「将来的に税金を納めることができる、またはできない」ということを基準としているようにも思えます。人口も少ないスウェーデンでは、高い税金を収入としているため、その税金がなければ公的サービスを配分することができません。そのため、税金を納めることができない障がい者や高齢者のためのサービスを円滑にするためにも、できるだけ多くの人に税金を納める担い手になってもらう必要があります。特別支援学校への入学の「権利」というのは、そういった意味では大きな意味を持ちます。この解釈はとても合理的な考えではありますが、インクルーシブ教育によって、いわゆる健常と言われる人たちの「障がい」に対する差別化の減退や、福祉分野への興味・関心を持つ機会にもなります。また、普通学校に在籍していた子どもは将来的に就職する機会が必要となるため、一般企業の障がい者雇用の拡大にも繋がります。
そのため、特別支援学校と言っても一概に"知的"や"肢体不自由"のクラスと分かれているわけではなく、学年によって割合も変わってくるようです。小中学校は少し複雑になっていて、聾学校がSpecial schoolとして別で残っていたり、サーミ族というスウェーデンの北部の遊牧原住民の言語を使う子どものためのThe Sami schoolというものがあります。そして、それらの学校も別々に設置するのではなく、同じ敷地内に在籍する形態をしているようです。前回述べた、スウェーデンのインクルーシブ教育の基本となった「場の統合」を意識しているようです。見学に行った特別支援高等学校は、現在移転計画の途中ということもあり、普通級の小学校高学年と中学生がすでに移動してしまい、普通級の低学年の小学生と同じ敷地内に在籍していました。食堂が同じ場所に設置されていて、入学したての小学生たちは車椅子に乗った高校生を見て、最初は多少驚いているようですが、「なんで、椅子に座ったままなの?」と先生に聞いたりしているそうです。幼い頃から、障がいを抱えた人を「知る」ことができる環境にあるのは決して悪いことではないと感じました。
最後に、特別支援学校内の様子を少しお伝えしたいと思います。スウェーデンにおける障がいとは、障がいは個人と環境の相互作用で生まれるもの、できないことがあれば人的資源や物的資源を使い、その相互作用を改善することが基本になっています。例えば、特別支援学校の全ての教室にリフト移乗ができるようになっていました。
さらに、車椅子を押すのも電動で操作できるようになっています。
これらの福祉機器の購入には、自治体からお金を出してもらい、自費での購入はほぼしないようです。働く人たちや介助する人たちも当然暮らしやすく働きやすくするという考え方が主流となっていて、積極的に導入しているとのことでした。こういった福祉機器を日本で導入するには色々批判が出て、すぐ頓挫してしまいそうな気がします。
介助はたしかに人と人が触れ合って安心感を必要とするものかもしれません。しかし、それ以上に自分たちのことも考えた上でどんな方法がベストなのかを介助する側も介助される側もお互いに考えていく姿勢がスウェーデンにはありました。これも、幼いころからお互いを"知る"努力をしているからこその価値観ではないかと思います。
今回は、スウェーデンの障がいの価値観から、特別支援学校の在り方をまとめてみました。日本では、特別支援学校や支援級、通級、普通級というように、子どもの能力に合わせた教育を提供できるような形態がとられています。国が違えば教育の方針も違いますが、世界的にはインクルーシブ教育が先進国をはじめ、多くの国で採用されています。日本の政府もその方針を打ち出してはいる様ですが、現在の教育の形態の中で行うインクルーシブ教育には限界があるように思えますし、そもそものインクルーシブ教育の解釈の仕方にも疑問があります。社会の中での障がい者の立場をどのようにして確立していくのかは、少子高齢化が進む日本にとっても重要な課題ではないでしょうか。
今後は、理学療法士の方の仕事に帯同させていただく機会があります。授業で習った福祉面、見学をさせていただいた教育面から見たスウェーデンの障がい児を取り巻く姿とは、また違った医療面からの姿を掘り下げていきたいと思います。
また、保育園の見学なども予定してるため、未就学児の教育内容についても情報が得られると思いますので、引き続き発信していきたいと思います。
首都大学東京大学院・博士課程所属 菊地謙
おうち時間を楽しく過ごして、免疫力をあげましょう!
平日は学童のお弁当が必要になり、また週末は子ども達とお家で過ごす時間が増えて、勉強も見てあげなくてはならなくなって…、保護者にとってはいつも以上に慌ただしく、息抜きがしづらい今年の春。
気がめいりそうなこの時期、OluOluではこんな提案をします!
簡単な体操
朝の1分、ニュースや天気予報を見ながら軽く腹筋やストレッチをするだけでも、結構スッキリする!
ちなみに、ロッテの球団公式YouTubeチャンネルに、ドラフト1位の佐々木選手が教えてくれる簡単トレーニングが10日から5日間毎日アップされるようです。ぜひ観てみて!!(日刊スポーツ3月10日の記事)
とにかく、洗い物を少なく!
学童のお弁当箱が洗い物に加わってしまうから、それ以外はできるだけ減らす! もし朝ごはんがパンなら、紙ナプキンに乗せたって良い! 帰宅して洗い物がたまってて気分が滅入るなら、朝は洗い物をなら、出さないのも手。夕ご飯もワンプレートなら気が楽ですね。
何にでも使える万能カット野菜
玉ねぎ、ピーマン、トマトをさいの目にカット。塩コショウを振って冷蔵庫に入れておけば、オムライスの具、ナポリタンの具、パンに乗せてサンドイッチに、スープの具にもなってかなり便利。
植物
ベランダや室内の窓辺で、ちょっとした植物を育てるのもちょっとしたストレス
解消になりますね。子供に水やりを任せてもよし。ベビーリーフや豆苗など、
食べられるものなら収穫も楽しい!
自分も子供もいつもよりちょっと甘やしちゃう
子どものゲーム時間が1時間オーバーしても、夕飯のおかずが3日連続でカレーでも、今は良し!と腹をくくると、ちょっと気が楽になる!
ちょっといつもの春と違う今年の春。いい具合で手を抜き、気を抜き、心身共に健康で笑顔いっぱいの新学期を迎える準備をしましょうね!